がんばった分だけ成果に結びつき、ひいてはキャリアアップや昇給といった「実利」を手にできる人がいる一方、やったことが結果につながらず、空回りしてばかりという人もいる。
両者の違いは才能か、それとも「がんばり方」か。
人間関係も、仕事も「手放せる人」だけが成功できる!
実現可能性の低そうな課題をクリアしたり、困難な目標を達成するのに、大切なのは「一点突破」。
成功する人はこれがわかっているから、タスクにせよ感情にせよ、不要なものは全て手放し、最重要な一点に知力と体力を集中させる。
対照的に、がんばりが空回りする人は、すべてをまんべんなくこなそうとしてしまう。
『結局「1%に集中できる人」がすべてを変えられる』(藤由達藏著、青春出版社刊)はこんな観点から、仕事、人間関係、不安、常識など、私たちを捉える様々なものの手放し方を教えてくれる。
行動力の大切さはわかっているのに動けないのはなぜか?
行動することで、目指すところに一歩一歩近づいていける。行動しなければ何も始まらないとはわかっていても、現実にはすぐに行動できないものだ。これには3つの要因が考えられる。
まず、行動しようにも仕事を抱え過ぎて動けない、というケースがある。「いつも仕事に追われていて息つく暇もない」という人は、仕事ややるべきことを抱え過ぎている。
また、優先順位付けができないせいで、実際よりも忙しく感じているということもあるだろう。「タスクが多すぎる」と感じている人も、整理して優先順位をつけてみると、案外時間が見つかるものだ。
集中力がなかったり、集中できない環境にあることも、行動を妨げる。常に複数の仕事を抱えていたり、上司からの緊急の依頼がしばしば入るようでは、物事に集中するのは誰でも難しい。
抱えすぎている仕事、人間関係、負の感情…すべて手放すには
このように、あることに集中して成果を出すことを妨げる環境要因が多くあるなかでは、何かを手放さないことにはいい結果は望めない。
多すぎる仕事、お金や恋愛の欲望、面倒くさい人間関係、不安やイライラなどの感情、「~しなけれないけない」などの間違った思考を一度手放して、本当に取り組むべきただ1つのことだけに集中するために、以下の手順を意識してみるといいだろう。
抱えているものを手放すためには、4つの段階がある。
1.手放す
仕事のタスク、悩みにとらわれている状態を手放す。
2.見る
視野を広げて、全体を眺め、抱えている仕事や悩み、懸念を把握する。
3.選ぶ
いくつもある案件から、真っ先に取り組むべきものを選ぶ。
4.取り組む
行動に集中する。
当たり前のことを書いているようだが、自分があまりにも多くのものを抱えすぎていることを、自覚できていない人も多い。
まずは、今の生活の流れから一度降りて、客観的に自分と自分の置かれた環境について考え直してみることが大切だ。
本当に大切なこと、一番やることさえわかれば、行動するのはかなり楽になるはず。そして行動さえできれば、結果は自ずとついてくる。
まずは、自分にとってもっとも大切なことを見つけるために。夏の休暇はその格好の時間になるのではないか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。