2019年、令和元年を襲った強烈な台風による被害は、いまだに記憶に新しい。台風といえば、猛烈な雨風とともに多くの人を苦しめるのが台風接近に伴う「台風頭痛」だ。
2019年10月ごろから「台風頭痛」というハッシュタグが登場したほどであり、「今年も防ぎようがないつらい頭痛が……」と憂鬱な人も多いはず。
つらい台風でなぜ頭痛が起きるのか、そして「台風頭痛」はどうすればやわらぐのか。脳神経内科で『ストレス取りたきゃ頭蓋骨をもみなさい』の監修者である内野勝行医師に聞いた。
■頭がしめつけられるような痛み「台風頭痛」の正体
「台風頭痛は緊張型頭痛と考えられます。緊張型頭痛は、頭から背中にかけての筋肉が緊張することによっておこる頭痛で、頭がぐっとしめつけられるような痛みが続きます。気圧が低下すると自律神経の乱れやストレスから、血管の収縮、筋肉の緊張が起きるため、緊張型頭痛が起きやすくなるのです」(内野医師)
また今年は、リモートワークや自粛で運動不足に陥り、血流が悪化している人も多いため、普段より台風頭痛に悩まされる人も多くなるかもしれない。
実際、内野医師の病院では、リモートワークの影響で緊張性頭痛を訴える患者さんが増加。台風が多かった2019年、頭痛を訴える患者さんは例年の倍ほどいたというが、今年はそれを上回る人が頭痛を訴えているそうだ。
■台風頭痛対策に!脳神経内科が実践する頭蓋骨マッサージ
この台風頭痛対策として、内野医師が提唱するのが「頭蓋骨マッサージ」というもの。これは、緊張型頭痛を引き起こす頭の側頭筋をもみほぐすマッサージ。内野医師の病院でも緊張型頭痛の患者さんに指導しているそうだ。
「頭蓋骨マッサージ」は次の4ステップ。
STEP1:耳の上のマッサージ
STEP2:こめかみのマッサージ
STEP3:後頭部のマッサージ
STEP4:側頭部を温め、リラックス
ここでは、STEP1の耳の上のマッサージをご紹介。側頭部には、頭痛や眼精疲労に効果的なツボが多くあるので、リモートワークで運動不足な人、ストレスを感じやすく普段から頭痛に悩まされている人もぜひ試してみてほしい。
【耳の上のマッサージ】
まずこぶしを握り、薬指と小指の第2関節を耳の上にグッと押しあててマッサージしていきます。少し強めの力でマッサージすると、より効果的です。頭皮をただもむのではなく、頭蓋骨をもむつもりで、手をしっかり押しあててから、マッサージをしてください。
ただ、頭部に傷がある方、頭痛がある方、マッサージ中に痛みを感じた方は、決して無理をしないでください。
耳のすぐ上に手をおき、薬指と小指の第2関節をぐっと押しあてます。そのまま10数えながら、グリグリと上下に細かく手を動かし、マッサージします。
手の位置を少し上げ、同様に10数えながらマッサージをします。
さらに手の位置を少し上げ、同様に10数えながらマッサージをします。
※ポイント
マッサージをしたら、手のひらで頭を包むようにして温めること。ゆっくりと手のひらの温度でもみほぐした側頭筋を温め、大きく深呼吸。リラックス効果が得られるという。
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毎年台風の季節になると頭痛がひどいという人、低気圧で体調が悪くなるという人に「頭蓋骨マッサージ」は対策として役立ってくれるかもしれない。本書で解説されている他の3ステップについても参考にしてみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。