説明の上手い人と下手な人。その差はどこにあるのか。説明の下手な人は、語れば語るほど相手はわかってくれると誤解している。だから、話が長い。一方、説明の上手い人は、話が短い。初めの10秒で大まかな理解を与えることができる人は「達人」と言っていいかもしれない。
頭のいい人ほど説明は短い!
『頭のいい人の「説明」はたった10秒!仕事も人生もうまくいく』(樋口裕一著、青春出版社刊)では、たった10秒で人の心を引きつけ、上手に説明して、うまく人間関係を築いていくためのテクニックを紹介する。
ほとんどの説明は10秒もあればこと足りる。そのために知っておきたいのが、以下の4つの原則だ。
1.丁寧な説明は意外とわかりにくい
丁寧に説明すればするほどわかりやすくなる、という考え方は間違い。むしろ逆で、丁寧であればあるほど、言葉を重ねれば重ねるほど、相手はわかりにくく、混乱してしまう。わかりやすく伝えるには、要点を絞って、できるだけ短く伝えるのがコツとなる。
丁寧な説明は、余計な情報が多くなる。人間の理解力には限度があるため、あまりに多くの情報を与えると、消化不良を起こして、理解できなくなってしまう。なので、細かなことはひとまずおいておいて、要点を絞るのが最も説明をわかりやすくする方法なのだ。
2.はじめにズバリと結論を示して、その後で補足する
最初に10秒ほどでズバリと全体像を示し、そのあとで補足するという説明法を身につけておけば、常にわかりやすく説明できる。小さなことはまず無視して説明し、それを理解できたところで、細かいところを付け加える。そうすることで、相手は細かいところまで理解することができる。
3.1回の持ち時間は30秒~60秒と心得る
人が一人で話を続ける場合、30秒を基準に考えるべき。文章で書くなら、4行ほど。最も基本的なのは、最初の10秒以内で全体像を示した後、20秒程度でそれを補足する。
4.説明は相手との対話と心得る
説明は発話者が一人で長々と話す独白ではない。あくまでも、聞いている人との対話。初めから完結した説明を前提とするのではなく、質問されることを想定の上で説明すればよい。初めから全てを語ろうとするのではなく、なるべくシンプルに説明することを心掛けることが大切なのだ。
新型コロナウイルスの影響で、リモート会議も増えているが、オンライン上では、対面でのコミュニケーション以上に説明の簡潔さが要求される。
話がうまく伝わらない。話が長くなってしまうことを自覚している。そんな人は、10秒で説明するテクニックを身につけてみてはどうだろう。
(T・N /新刊J P編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。