自分で「○○します」と言ったのに、何も行動を起こさなかった。
そういう人は結構いるものだ。で、その理由を聞いてみると次のような答えが返ってくる。
「やろうと思っていたんですけど…」
「なかなか時間が取れなくて」
「本当にそれでいいかどうか迷っていて」
いずれにせよ、申し訳なさそうな表情をしている。ただ、自分も有言実行できていないことが多いので、あまり強く言うことはできない。
では、なぜ人は行動が起こせないのか?
そもそも人は行動が苦手ということもあるのかもしれない。
臨床心理士の村松奈美さんは『人は心理学で永遠に幸せになる』(ワニブックス刊)で、次のように説明している。
――イマイチ「生きるか死ぬか」の実感がわかないので、「行動」の力がすぐに反応しません。要するに、人はとても面倒臭がりで、必要に迫られない限りは、なかなか「行動」できない生き物なのです。
(『人は心理学で永遠に幸せになる』P128より引用)
生き物は基本的に「生きるか死ぬか」の環境で生きており、原始時代の人間もそうだった。
だから、安定した生活の中で先のことを見据えて「すぐ行動する」のは、人間にとってかなり苦手なことだということだ。
しかし、いくら苦手なこととはいえ、行動をずっと起こさないでいると信頼はガタ落ちし、「あいつはアテにならない」と言われ、人はどんどん離れていくだろう。
そんなときは、なぜ行動を起こせないのか。原因をちゃんと考えてみることが大事だ。
「なかなか時間が取れなくて」といった言い訳は、その場しのぎであることが多い。
実はもう行動に移せないクセがついているのかもしれない。そうしたら少しずつ変えていくしか方法はないだろう。
本当の原因が分からなければ一生そのままだ。
時には他者との対話の中で、自分の思考のクセに気付くときもある。トラウマはないか? 「やります」と言ったときに納得して言ったか? 振り返ることはたくさんあるはず。
結果はどうであれ、言ったことを行動に移す人の方がチャンスはめぐってくる。
まずは自分自身にその原因を聞いてみよう。
(新刊JP編集部/割井洋太)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。