安倍昭恵・首相夫人は8日、東京都内で農業と福祉に関する民間団体の会合に出席。スピーチで「世の中を騒がせているが、私で役に立てることがあればやりたい。(自身への)注目を、多くの人に(活動を)知ってもらう機会にできたらいい」「今は嵐の中にいる。嵐は自分の力ではどうにもならない」などと語った。直接の言及はなかったが、学校法人「森友学園」への国有地売却問題で渦中に置かれていることを指していることは明らかだ。
同日、榛葉賀津也・民進党参院国対委員長は会見で、「安倍昭恵夫人は、今日も昨日も、いろんなイベントに参加して、いろんなことをおしゃべりになっているようでございます。『なぜご自身がこんなに注目されるのか、わからない』と言っていますが、本当にわからなかったら、これ、大変なことですよ。やっぱりご自身もしっかり説明する責任がある」と語った。
「昭恵夫人は、天真爛漫な人ですよ」
森友学園の問題を追っている、ジャーナリストの須田慎一郎氏は言う。
「原発問題について、脱原発みたいなことも言っていますが、きちっとした思想に基づいて、発言あるいは行動しているわけではないんです。今回の問題でも、森友学園が運営している幼稚園に行って、園児たちが教育勅語を唱和するのを聞いて感動したということでしょう。教育勅語がどういった歴史的背景で出てきたものなのか、それが戦後どういうふうに扱われてきたのかということを深く知っているかといったら、そういうことは決してないと思います。小さい子供たちが一生懸命唱和をしている姿を見て、素直に感動したというということでしょう。直感的、感覚的に物事を考えてしまう人で、思想的に右とか左とかもない人です」
森友学園が開校しようとしていた小学校の名誉校長に就任した(現在は辞任)ことを聞いて、安倍首相は夫人に激怒したという報道もある。
「豊中市の木村真議員が、国有地が格安で売却されたいうことを聞きつけて、近畿財務局に問い合わせたら、この土地については、情報開示に応じていないと言われたことが、今回の事の発端です。国有地の売買は公開が原則ですから、何かあるということで、開校予定の小学校のホームページを見たら、昭恵夫人が名誉校長に就いている。これは展開の仕方によっては大きな疑惑になるということで、地元のメディアから火がついて広がっていったわけです。その当初から、首相官邸を直撃するような問題にならないのかということで、情報は官邸サイドに伝わっています。