大学受験の成功には、親子の関係が大いに関わりがある。親子の良い関係性が築かれている家庭では、子どもの受験もうまくいく傾向がある。
そう述べるのは、河合塾のカリスマ講師・二本柳哲文氏だ。受験を控える子どもをもつ親は、どう励まし、どう刺激を与えればいいのか。
『受験に勝つ子どもの育て方』(内外出版社刊)では、河合塾のカリスマ講師・二本柳哲文氏が、受験にとっておきの知恵と最終的に合格を勝ち取るためのやるべきこと、受験生の親のための合格必勝法を紹介している。
ゲームにハマる子ども 受験への悪影響がある場合の対応は?
受験生を子どもにもつ親にとって、受験を拒む代表とも言えるのが、ゲーム、スマホ、恋愛、部活だ。
たとえば、ゲーム。受験にゲームは悪なのかというと一概にそうとは言えない。ゲーム好きの子どもたちにとって、ゲームは生活の一部であり、息抜きにもなる。「ここまで宿題をやったらゲームをやる」というように、うまくゲームと関わりながら、自己管理のツールとして使っている子どもは多く、優秀といわれている子どもほどその傾向は強いという。
「悪だとか言う前に、どう使うかということが学力や成績の伸びに関わってくる。良くも悪くも必需品である」というのが、二本柳氏の持論だ。
ただし、「3時間ぶっ続け」「受験のストレスから逃げている」など、自己管理ができないなら、制限をかけるしかないだろう。 しかし、今の子どもがハマるゲームは、オンラインのSNSで、グループでやるゲームが多いため、抜けにくい。一人で遊ぶゲームとは違い、SNSを通じた友達との付き合いと直結してくる部分があるからだ。
このとき、親はどうすればいいのか。二本柳氏によれば、頭ごなしに言うのではなく、本人にとって落としどころのある言い方をしなくてはならないという。そして、
・学校の成績が落ちているかどうか
・実際どれくらいの時間やっていて、学習や生活に影響が出ているか
この2点を数字で見て判断する。言い合いになって終わる、ということは避けなければならないので、保護者がどう協力できるか、冷静に話し合うことがポイントだ。
また、いきなり全面的に禁止にするのは難しいので、「22時以降はやらない」「やらない日を1日だけ作る」などの条件付けをしながら、少しずつゲームの時間を少なくしていくのだ。
親の励ましは、子どもの一番の特効薬。親子という関係ではなく、人間対人間として付き合ってアドバイスすればよいと二本柳氏は述べる。親はどう協力すればいいのか、迷ったときに参考となる一冊だ。
(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。