欧米人から見ると「日本の女性は露出度の高い服を着ていてはしたない」と見えるそう。でも、日本人からすれば、欧米の女性のほうが露出度の高いイメージがあるのではないだろうか。
ここには双方の常識の違いが介在している。
欧米人にとって、隠すべきは「胸元」よりも「脚」。『どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑』(御手洗昭治編、小笠原はるの著、総合法令出版刊)によると、胸元の露出には比較的寛容だが、「女性は脚を隠すべき」というのがエチケットなのだそう。
これはギリシャ・ローマ時代からの習わしで、古代の裸婦像の彫刻や絵画でも、下半身だけは布で覆われている。現代でも、スカートはあまり履かれないため、ミニスカート姿の日本人は、欧米人から見ると「はしたない」となりやすいのだという。
■世にも不思議な世界の常識
このように、日本と海外では「常識」が違うケースは多く、こうしたことは知らないよりも知っていたほうが、もちろんいい。本書では、日常生活に使える挨拶、ビジネスマナー、冠婚葬祭のマナーなど、異文化コミュニケーションに役立つ世界の「常識」を142個ピックアップし、イラスト付きで紹介する。
首を横に振ったら「ノー」が一般的だが、逆の場合もある。インドでは「イエス」の意味になるのだ。また、首を縦に振る動作は、ギリシャやイタリア南部では「ノー」となる。
首を振らず、眉で伝える国もある。エチオピアでは、仰向いて眉をつり上げると「イエス」、首を右に降ると「ノー」になる。
また、「相手の目を見て話しましょう」と日本ではよく言われるが、国によっては、目を合わせないことがマナーになることもある。中国では、少し目線をそらすことが敬意の表れとなる。ナイジェリアでも、子供の頃から会話の最中に相手を真っ直ぐ見ないようしつけられているという。
手を使ったジェスチャーも国によって意味は変わってくる。たとえば、人差し指を立てるジェスチャーは、日本では一般的に「1」「一つ」「ナンバーワン」といった意味で使われるが、オランダでは「注意せよ」という警告、インドネシアでは「お願いします」という指示のジェスチャーになる。
外国の人と接する際、マナーやタブーは知っておかないと、知らないうちに非常識なふるまいをしてしまいかねない。語学を学ぶことも大切だが、コミュニケーションをとる上では「常識」もけっこう大切なのだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。