著:網野智世子/サンマーク出版
何年も英語を勉強しているのに、あまり上達しない。いざ外国人を前にすると言葉がでてこないなど、英語に限らず語学学習に励む人なら一度はこんな壁にぶつかり、「自分はまちがった勉強をしているんじゃないか?」と不安に駆られた経験があるはずです。
もちろん、言語の習得は一朝一夕にはいかず、地道な努力が欠かせません。しかし、その言語を実際に使えるようになる、という観点で言えば、「近道」は確かに存在するようです。
『まずは動詞を決めなさい。』(サンマーク出版/刊)の著者で多言語翻訳者の網野智世子さんは、「言語の中心は動詞にある」として、英語を含めたあらゆる言語を習得する際の重要ポイントとして動詞を挙げています。では、動詞に注目した語学の勉強法とは一体どのようなものなのでしょうか。
■まずは徹底的に動詞を覚える
どんな言語でも同じことが言えますが、言葉を使えるようになるためには、語彙は多いに越したことはありません。しかし、やみくもに単語を覚えるのではなく、あくまで動詞に絞って語彙を増やしていきましょう。その際は、読んでいる英文に出てきたら意味がわかるだけではなく、実際にその言葉を使って話したり書いたりできるように心がけることが大切です。
■文法や表現は動詞とセットで覚える
とはいえ、動詞以外の名詞や助動詞を覚えないと、自分の意図をきちんと相手に伝えることはできません。ただ、これらの言葉も動詞とセットにして覚えることで実用性が高まります。
たとえば、名詞は文章の中で主語になることもありますが、動詞の目的語になることも多くあります。そのため、「cold=風邪」名詞単体で覚えるのではなく「I caught a cold.(私は風邪をひいた)」のように、よく一緒に使われる動詞とセットで覚えると効率がいいのです。
このように、動詞以外の言葉もどこかで動詞と繋がっている感覚を持つことが語学学習では大切になると網野さんはいいます。
■アウトプットは動詞から決める
「人生は一度きりだ」を英訳しようとすると、多くの日本人は「Life is only once.」と答えてしまいます。しかし、これは英語として不自然。ネイティブならば「You live only once.」などと言うはずです。英語を書いたり話したりする時に「○○ is ○○」という発想をしてしまうのは日本人の弱点なのです。
そうではなく、「動詞→主語→動詞の後ろ」と、最初に動詞を決めてから主語や目的語を考える癖をつけることで、スムーズな表現ができるようになります。
とにかく動詞を決めないことには、どんな英語も書けないし話せない、と心得ておきましょう。
本書には、動詞に注目した語学の勉強法がより詳細に解説されています。
単語を覚えたり、文法を学んだりなど、語学の学習は一通りではありません。しかし、どんな種類の勉強をするにしても「動詞」に着目すると、効率的に力を伸ばしていけるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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