「死ぬ前に何が食べたいですか?」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。
好きなもの、普段食べないような豪勢な料理、シンプルに「いつもと同じ」と言うかもしれない。
この質問のポイントは「死ぬ前に」という一言があることだ。
「何が食べたいですか?」と普通に聞かれたとき、素直に答えることに慣れていない人は、変なことを言ってはいけないという気持ちから、本当に食べたいものではなく、別の尺度でメニューを言ってしまってしまうことがある。
高級なものを言ったり、本当に気持ちを素直に言えなかったりする。そこに、「死ぬ前に」が付くと、不思議とその人が食べたいものを言えるのだ。
これこそが「素直さ」である。
では「素直に生きる」とは何だろうか?
『「素直さ」こそ最強の武器である』(秀和システム刊)は、「銀座まるかん」の創業者であり、日本を代表する大金持ちの一人である斎藤一人氏が、どんな人であっても楽しくできる秘訣としての「素直さ」を語った一冊だ。
「自分に素直」ということは、イコールとして周囲のことを考えないということではないかと考えてしまう人もいるだろう。だが、斎藤氏は「本当は素直な気持ちでやろうとすることで、人を苦しめることはない」と教えてくれる。自分に素直に生きることで、周囲にいる人たちのことも尊重できるようになる。
理想は周囲にいる人たちがみな「自分の好きなこと」をやっている状況、つまり、全員が素直にいられる状況だ。そうした状況を生むために、まず自分が素直に振る舞うことが大切なのだろう。
また、今、素直になれていない人が「素直さ」を取り戻すためにはどうすればいいのか。そんなときは、自分が現在やっていることや話している言葉に「愛」があるかどうかと考えてみるのがいいと斎藤氏は述べる。
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ちなみに、冒頭の「死ぬ前に何が食べたいですか?」という質問に、「永谷園のお茶漬け」と斎藤氏はシンプルに答えている。意外だと思う人もいるかもしれないが、これが斎藤氏の素直な回答だ。
素直さを大事に生きると言われても、なかなか簡単にはできないかもしれないが、何かを選択するときなど、「今、自分に素直になれているかな」と考えてみることで、少しずつ素直になれるのかもしれない。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。