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【六代目山口組定例会速報】幹部に昇格した六代目豪友会・加藤徹次会長の素顔とは?

文=沖田臥竜/作家
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【六代目山口組定例会速報】幹部に昇格した六代目豪友会・加藤徹次会長の素顔とは?の画像1昨年末に行われた餅つき大会で、六代目山口組直参たちと談笑する加藤会長(写真いちばん右/神戸市灘区にある六代目山口組総本部にて)

 4月5日、神戸市灘区にある六代目山口組総本部で定例会が開催された。今回の定例会は、幹部の増員が発表されるのではないかという事前情報があったため、業界関係者の間で注目されていたのだ。

 なぜ、幹部昇進の噂が話題になったのか。それは噂に上がった人物が、山口組で伝統ある組織を継承した会長だったからだろう。

 事実、定例会では予想された通り、若中から六代目豪友会・加藤徹次会長の幹部昇進が発表され、関係者たちを唸らせた。

 加藤会長率いる豪友会(高知)とは、四代目山口組体制で若頭を務めるも、山一抗争の最中、四代目山口組・竹中正久組長ともに暗殺されるという非業の死を遂げた、中山勝正会長を初代とする伝統ある屈強組織である。

 その六代目を受け継いだ加藤会長とは、いったいどういった人物なのか。

 著者は以前、加藤会長と徳島刑務所で同じ工場に務め寝食を共にした人物から、その人柄について話を聞いたことがあった。

 その時の加藤会長の服役は、他組織との抗争で身体を賭けて実刑を受けた、いわゆるヤクザの勲章としての務めだったという。ヤクザ社会では、組織のために務める服役を「ジギリを賭ける」といって称賛されているのだ。

「当時、加藤会長はまだ豪友会内坂井組で若頭を務められていたが、工場(刑務所内の配役工場)での人気は抜群で、素晴らしい務め方をされていた。とにかく寡黙で読書家。加藤会長と接する懲役(受刑者)はみな居住まいを正し、自然と加藤会長に敬意を払うようになっていた」

 徳島刑務所とは、懲役8年未満の受刑者が収容されている一般刑務所とは違い、「LB級」と呼ばれる長期服役者を多く収容している施設である。そのため、必然的に大事件を起こした者が集まっているのだが、そういった一筋縄ではいかない海千山千の猛者たちでさえ、加藤会長の刑務所での振る舞いに感化されていたというのだ。

 そういった話を聞いていただけに、筆者の現役時代の2014年、伝統ある豪友会の六代目を加藤会長が継承し、六代目山口組直参へと昇格したと知った際には、やはりという思いがあった。

神戸山口組でも大物幹部が直参に昇格 !?

 直参就任直後間もない加藤会長を筆者が初めて見たのは、本家当番と呼ばれる役務を果たすため、六代目山口組・司忍組長宅に自身の親分のお供として入った時だ。その当番日から一夜が明け、交代にやってこられたのが加藤会長だった。

 加藤会長は、当番者が詰める2階のモニター室に入ってくると、先輩にあたる筆者の親分に丁寧な挨拶をすませ、直参組長が座るソファーに座り、カバンの中から文庫本を取り出した。そして、そこから身動ぎすることなく本に視線を落とし、読書を始めたのである。その姿はまさに寡黙でありながら、威厳を放っていた。

 この時、先に紹介した「加藤会長と接する懲役はみな居住まいを正し、自然と加藤会長に敬意を払うようになった」という言葉を思い出さずにはいられなかった。

 また六代目山口組系幹部からは、こういった声も聞こえている。

「例えば公用の義理場(ヤクザ社会における冠婚葬祭)でも、加藤会長はどれだけ椅子を勧められても『先輩方に』と言って、ご自身は決して座られない。その上、一切無用なことはしゃべられない。すでに阪神中四国ブロック内の四国地区長を務めており、今回、実力、品格ともに持ち合わせた親分が、満を持して幹部昇格したといえるだろう」

 そうしたなかで、神戸山口組でも大物幹部が直参へと昇格するのではないかという噂が流れている。

「4月2日に、神戸市二宮にある神戸山口組事務所で緊急執行部会が開かれています。これを受けて、9日に予定されている定例会で、直参昇格などの新人事があるのではないでしょうか」(ヤクザ業界を取材するジャーナリスト)

 任侠山口組が次々と直参を誕生させ、六代目山口組も今回の人事のような動きを活発化しつつある。対する神戸山口組も、この時期に直参組長を誕生させれば、否が応でも組織の士気は上がるはず。神戸山口組、特に中核団体である四代目山健組では、分裂前からプラチナ級と呼ばれる幹部らが大勢揃っている。そこから神戸山口組の直参昇格が実現すれば、かつて「山健にあらずんば山口にあらず」と言われたほど組織の存在感を内外に示していくきっかけになるはずだ。

 神戸山口組も水面下では、組織強化に向けて着々と動き始めており、9日に行われる定例会に注目が集まっている。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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