趣味の読書はともかく、仕事や勉強などで本を「読まなければいけない」ケースは結構あるものです。早々に切り上げたいにもかかわらず、読むのが遅くてなかなか終わらないという人は多いはず。
では、読書に時間がかかってしまう要因にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
『1分間速読法』(石井貴士/著、フォレスト出版/刊)は、そんな悩ましい“遅読”を解決し、1冊1分というスピードで本を読むメソッドを紹介する一冊。
今回はその中から、読書が遅い4つの原因を紹介します。
■頭の中で音読してしまう
多くの人は小学校に上がると、国語の授業で教科書の音読を経験したはずです。この経験のせいで、本を読むのが遅い人は、大人になった今でも本を頭の中で音読しながら読んでしまう傾向があるそう。
この習慣は、「本を速く読む」という観点でいえば、百害あって一利なし。まず、この習慣をなくさないかぎり、1冊1分というスピードでは本を読むことはできないのです。
■「本は読むものだ」という既成概念がある
大人になると、読書に「内容を理解すること」という目的を設定してしまいがちです。しかし、これも読書を遅くする原因。
本書の著者である石井貴士氏は、「本は読むもの」という既成概念をなくし、「本はページをめくられるために存在するもの」と考えることを勧めています。
読もうというモチベーションを持たず、内容を理解しようという気持ちもゼロ。その状態でただひたすらページをめくる。
この状態になってはじめて、内容を頭に入れつつ、かつ速く読むことが可能になるのです。
■記憶したい、暗記したいと思っている
読むからには記憶したいと思う気持ちはわかりますが、これも速読には邪魔になる考えです。
速く読む秘訣は、内容を記憶しようと思わず、とにかく見開き2ページを機械的に目に入れるという作業を繰り返すこと。意識としては目に入った内容を潜在意識と顕在意識の中間地点に落とすイメージを持つといいそうです。
■速く読もうとする
前述の通り、本は読むためのものではなく「ページをめくられるために存在するもの」である以上、速く読もうとするのはご法度。「速く読む」のではなく「速くページをめくる」のが、速読できる人の読み方です。
速く読もうとしているのは、どこかで内容を理解しようと考えているからです。その意識を捨てて、ページを速くめくることに集中すると、その速度で内容が勝手に自分の中に入ってくると石井さんはいいます。
本書には、本を読むのを遅くしているさまざまな原因について解説しているとともに、読むスピードをどんどんアップさせるトレーニングの方法も取り上げられています。
「本は読むもの」ではなく「ページをめくるもの」。そして読書は論理より、どちらかというと直感力に働きかけるもの。
この発想の転換は、本を読むのが遅いと悩む人に一筋の光を与えてくれるかもしれませんね。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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