『銀座No.1ホステスの 上司の評価が上がる知的なルール』(水希著、扶桑社刊)は、仕事はできるのに、なぜか社内で評価されない人のための一冊です。
スキルはあるし、仕事も速い。成果が出ていないわけでもない。それでも評価されない原因は「コミュニケーション」にあるのかも。
コミュニケーションは、少し変えるだけで相手からの印象ががらりと変わる「コスパ」のいい改善ポイント。けっして「上司にゴマをすれ」ということではないので試してみては?
■使うだけで心証がよくなるクッション言葉の数々
伝えるべきことを単刀直入に伝えるのはコミュニケーションの基本ですが、何でもかんでも単刀直入の一辺倒では相手に威圧的な印象を与えてしまったり、過剰に自己主張が強い人だと思われてしまうかも。残念なことに、メッセージや主張自体が正しいものだったとしても、それを伝えるあなたの印象が強硬と受け取られることで、相手がそのメッセージを受け入れがたく感じてしまうことがあるのです。
伝えるべきことをはっきり伝えたのに、相手からの心証が悪くなってしまうのは理不尽なもの。クッション言葉はそんな事態を避けるための言葉です。
反論したり言いにくいことを言う時は
「申し上げにくいのですが」
「大変恐縮ですが」
断る時は
「お気持ちは大変ありがたいのですが」
「せっかくなのですが」
お願いする時は
「恐れ入りますが」
「可能であれば」
など、これらのクッション言葉を使うだけで、印象は柔らかいものになります。
これは別に相手に迎合しているわけでも、すり寄っているわけでもありません。主張すべきことをしっかり主張するためにこそ、クッション言葉が必要なのです。
■「みんなの利益」を前面に出せば主張は通りやすくなる
仕事に慣れてくると、現状の仕事のスキームや手続きの中に「これって必要なの?」「もっといい方法があるんじゃないか」と思えるものが出てきます。本当に不要であったり、非効率であれば、それは修正したり廃止したりする提案をすべきです。
こういう時に気をつけたいのが、それを変えたり廃止したりすることが「みんなの利益になる」ということを前面に出すこと。「不要だからなくしたい」「やりにくいから変えたい」というだけだと、「自分こそ正義」という感じが出てしまってあまり印象がよくありません。もしかしたら今のやり方でやるべき理由があるのかもしれませんしね。
提案をするときは「こう変えればみんな楽になりますよね」というスタンスにするだけで、受け取られ方は大きく変わります。
■「威嚇」と「哀願」は百害あって一利なし
振られたタスクを断りたかったり、納期を延ばしてもらいたかったりと、仕事をしていると上司と交渉せざるを得ない場面も。
こんな時、相手からの評価を下げるだけであまり得がないのが「威嚇」と「哀願」です。
威嚇とは「こうしてもらえないと納得できません」「どうしてこうしないんですか」と攻撃的に主張すること。哀願は「自分がいかにかわいそうか」をアピールして要求を通そうとすることです。
上司との交渉の際、気をつけたいのは感情的にならず自分の主張を理論だてて説明することと、代替案を用意すること。仕事を断る交渉であれば、謝罪→理由説明→断り表明→代替案の順に説明すると、相手も納得しやすくなるようです。
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コミュニケーションとひとくちにいっても、そこには細やかな機微があり、納得させるための手順があり、そしてなにより相手の心があります。そこに思いをはせながら会話したり、メールをしたりすることが会社という集団の中での対人術のキモです。
どうせ仕事をするなら成果に見合った評価をされたいものですし、もっといえば最大限に評価されたいものです。そのために、本書は大いに役立ってくれるはずです。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。