マナーやタブー、ライフスタイルといった常識は、世界各国で違うもの。日本で当たり前と思っている常識も世界では通用しないことも多く、調べていくとなかなか奥深い。
■指で〇を作る「OK」ジェスチャーがネガティブな意味を持つ国がある
たとえば、欧米人はイクラやタラコ、数の子といった魚の卵を食べる習慣がない。だから、日本の寿司店にいっても「生臭い」「つぶつぶが気持ち悪い」といった理由で嫌がる人が多いようだ。キャビア食べるのに意外な感じがするが、こういう情報を知っているだけでも、食事の際のレストラン選びに役立てることができる。
ビジネスの場面でも、常識を共有していない外国人との商談やプロジェクトは進行を妨げるものになる。異文化理解は、ビジネスパーソンにとっても必要なスキル。語学を学ぶ以前に、世界各国の常識を知っておくことは大切なことなのだ。
『どこへ行っても恥をかかない 世界の「常識」図鑑』(御手洗昭治編著、小笠原はるの著)では、ビジネスマナー、冠婚葬祭のマナーに至るまで、異文化コミュニケーショに役立つ世界の常識を142個ピックアップ。イラストとともにわかりやすく紹介する。
言葉が通じないなら、身ぶり手ぶりのジェスチャーでコミュニケーションがとればいいと考えている人も多いかもしれない。これはもちろん有効な手段だが、ジェスチャーも、地域、文化、宗教によって読み取り方が違うことは知っておかなければならない。
親指を立てるジェスチャーは、一般的に「OK」「グッジョブ」という意味で、日本では良い捉え方をする。一方、アメリカの一部では「くそくらえ」になる場合があるので注意が必要なのだとか。
同じ「OK」という意味では、親指と人差し指でマルをつくるジェスチャーもある。これはフランスでは、ネガティブな場面で使われる。親指と人差し指のマルが数字の0になることから、「なにも得られなかった」「不成功」という意味になる。
また、片手を頬にあてるジェスチャーは、考え込んでいるときなどに無意識にやっているかもしれない。スペインでは「あなたは未熟だ」という意味なので、相手を怒らせてしまう可能性がある。スペイン人の前では気をつけなければならない。
他にも、時間の意識も国によって違う。イギリスではアフター5に仕事をするのはかなり例外的。また、EU加盟国では、バカンス中に仕事の連絡は取らないのが一般的だという。
というように、ジェスチャーも働き方も世界各国さまざま。異文化の人とのビジネスでは、時間感覚などはトラブルの種になりやすい。相手の国の価値観を理解しておくことで、仕事もコミュニケーションも円滑になるはずだ。また移動の自由が認められた「コロナ後」のために知っておきたい常識集である。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。