テーブルやソファー、本棚、それに照明。
「インテリア」というと、どうしても自分のお気に入りの品を揃えた趣味的なもので、「ファッション」や「装飾」というイメージがあります。
しかし、それだけではあまりにももったいない! インテリアには生活上の困りごとを解決する力があるのです。
インテリアでテレワークの快適さは劇的に変わる
『光とインテリアで整う 最高のテレワーク空間』(実業之日本社刊)の著者、尾田恵さんは、インテリアについて
確かに空間をお洒落に魅せる世界ではありますが、実はそれはインテリアの一面にすぎません。(中略)
「インテリア」とはすなわち生活環境で、暮らしの土台として機能していること。
その土台の良し悪しで、私たちの健康も左右されること。
つまりインテリアは、私たちの「健康」を下支えするための大きな役割を持っている、というのが今の私の考えです。(P4より)
としています。
インテリアを変えたことで生活習慣が変わったり、食習慣や飲むお酒まで変わることがあるそう。それなら健康的な生活習慣が手に入るインテリアや、テレワークが普及した今であれば、仕事が快適にはかどるインテリアにしたいものです。
知らないうちに目を疲れさせるテレワーク環境とは?
コロナ禍で一気に普及した感のあるテレワークですが、仕事がはかどる人がいる一方で、能率が上がらなかったり、この働き方が体になじまず心身の調子を崩してしまう人もいます。これはテレワークに適した環境がこれまであまり提案されてこなかったからかもしれません。
テレワークの良さは、働く環境を自分好みにアレンジできることです。オフィスで働いていた頃、室内の温度や明るさで悩んだことがある人は多いはず。テレワークでは自分の体調や仕事の内容にあったアレンジにしたいところです。
特に、照明(光)はテレワーク時の体調管理と能率にとても重要な役割を果たします。「明るければいいんでしょ?」となりがちですが、実はそうでもないのです。
もちろん、テレワークといっても仕事の内容はさまざまですから、「この明るさがいい」という定まった答えはありません。ただ、多くの人がパソコンを使って仕事をしていると考えると、注意すべきことが見えてきます。
厚労省が2019年に公表した「情報機器における労働衛生管理のためのガイドライン」によると、 「ディスプレイ画面上における照度は500ルクス、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上」 が目安。さらに 「ディスプレイと書類及びキーボード面の明るさ」と「周辺の明るさ」はなるべく差が出ないように、 としています。
パソコン作業の大敵は眼精疲労、ということでディスプレイの明るさには気が回っても、「周辺の明るさ」はおろそかになりがち。明るすぎると目が疲れるからといってディスプレイの光を抑えても、部屋がそれよりもずっと暗かったり、過剰に明るすぎたりすると、目への負担が大きいのです。ここにインテリアの活躍の場があります。できるだけパソコン周辺と明るさを揃えることを意識してみましょう。
もう一つ、光について注意したいのが、照明との距離です。一般的に、照明との距離が近いほど目への刺激は強く、ストレスがかかります。だから、パソコンやスマホを見る時はできるだけ目を離すことを心がけている人は多いはず。
ここで盲点になるのが、リモート会議などで自分の表情をきれいに見せるための「リモートライト」です。顔から近づけて使うほど自分の顔がきれいに映るので、どうしても「近く、強く」という使い方になりがちですが、長時間使用すると頭痛が出たりすることも。
体への負担を考えるなら、
・40㎝以上離して
・昼光色ではなく中間色か電球色を
というポイントを意識してみましょう。
「画面映え」の点では物足りなく感じるかもしれませんが、机にタオルや画用紙など白っぽいものを敷いて「レフ効果」を作ることで明るさを補うことができます。
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ここでは「照明」に注目しましたが、本書ではテレワークが快適になり、仕事がはかどる空間づくりの秘訣が、机や椅子、観葉植物、室内の色などさまざまなテーマで解説されています。
自分の体質や体調、仕事内容に合った空間の作り方がきっと見つかるはず。心身ともに健康でパフォーマンスも高まる部屋づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。