日々の業務に追われ、気力も体力もあまり残らない。でも、勉強しないとスキルアップできない。特に資格試験を目指しているビジネスパーソンは、どのように勉強時間を捻出したらいいのか悩みどころだろう。
話題のビジネス書『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』(棚田健大郎著、ダイヤモンド社刊)は、働きながら3年で行政書士や宅地建物取引士をはじめとした9つの資格に独学合格した著者が実践した勉強法を伝授する一冊だ。
その勉強法の一つとしてピックアップされているのが「耳学」。時間がない人のための「ながら学習」だ。
これは日常で何かをしているときに、同時並行で勉強をするというもので、下記のような手が塞がっているけれど、耳が空いている時間も学習時間にすることができる。
・朝食を食べる時間
・駅まで歩く時間
・電車に乗る時間
・洗い物をしている時間
・お風呂に入る時間
勉強は机の上だけでするものではない。耳のスキマ時間を活用することでより効率的に学習していくことができるのだ。
わずか2ステップでできる「耳学」
では、具体的にどのように「耳学」を実践すればいいのか。本書で紹介されているステップはたった2つだけ。
ステップ1:録音する
ステップ2:Bluetoothイヤホンで聞く
まず、問題集を自分で読み上げ、それをスマホの録音機能を使って録音する。より具体的に言うと、問題文、選択肢、答え、解説という順番で読み上げ録音する。
このときのポイントは「少し早口で録音する」ということ。なぜ早口で録音するのかというと、「耳学」は繰り返し聞いて、頭に知識を定着させる学習法であるため、できるだけ数多く聞くために少し早口で読んだ方が良いという。
続いてのステップは「Bluetoothイヤホンで聞く」。ケーブル付きのイヤホンだと、ケーブルが邪魔になってしまい、ストレスになることも多い。Bluetoothイヤホンは「ながら学習」の強い武器となる。
資格試験本番で活きる2つのメリット
棚田氏はこの「耳学」を実践していく中で、「問題を解くスピード」が速くなったと感じたという。もともと文章を読むのが遅く、資格試験でも試験時間ギリギリまで解いていることがあったというが、これを始めてから1問にかかる時間が格段に短くなったそうだ。
そんな棚田氏は、耳学のメリットを2つ挙げている。
1つは「問題文の言い回しに慣れてくる」というもの。毎日繰り返し聞いたことで、試験問題独特の言い回しや表現に慣れ、選択肢のパターンが嫌でもわかってくる。特に宅建士試験のような法律系の資格は専門用語もたくさん出てくるため、慣れておくことで苦手意識がなくなり、スムーズに問題が解けるようになると述べる。
もう1つは「聞きながら答えを出す習慣がつく」というものだ。1つの選択肢に対して2度3度と読み返して悩んでいると、ペース配分が乱れ、結局間違えてしまうという最悪な状況が発生する。しかし、耳学を実践することで、問題文の音声を聞くのと同時並行で解答を考える習慣がつくため、問題文を1度読むだけで答えが導き出せるようになるという。
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自分の価値を上げる新しい武器を手に入れたい。資格はその武器の一つになる。ただ、試験はそう簡単には通してくれない。しっかり勉強してきた人こそが、合格の門を通ることができる。
本書では「紙1枚勉強法」や「耳学」といった勉強だけに留まらず、資格試験を受けるためのモチベーションのマネジメント方法、試験までの残り期間別の勉強法、試験当日に点数を伸ばすテクニックが紹介されている。また、家族への感謝といった大切なことも説いている。
ぜひ本書の内容を活かし、資格試験を突破してほしい。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。