「お金に苦労する人生は送りたくない」
「仕事なんてせずに旅行や趣味に好きなだけ打ち込める毎日を送りたい」
私たちは多かれ少なかれ、お金事情に関して「こうなってほしい」という「思い」を抱くものだ。しかし、その思いはなかなか現実になることはない。いつも苦しむのは、そのギャップにである。
では、実際にお金持ちになった人は、なぜ成功を収めることができたのか。全国高額納税者番付で過去に12年連続10位以内にランクインした経験のある大富豪・斎藤一人さんの考え方は極めて明快だ。
その一人さんの成功哲学を、元歌舞伎町No.1ホストの信長さんが聞き出した『斎藤一人 思いは現実になる』(信長著、信長出版刊)からご紹介しよう。
最初から重く考えない。軽く考えてこそ思いは実現する
例えば「お金持ちになりたい」と思ったときに、急に「1億円」「3億円」というような大きな額を想像してはいないだろうか。その額が自分の身の丈にあっていて、自分の預金通帳に3億円のお金が入っていることを現実的に想像できるなら、大丈夫。しかし、多くの人は「夢物語」だと考えるだろう。
一人さんは、自信のない人が背伸びをしても上手くはいかないと指摘する。預金通帳の中に「10万円」なら現実的だという人は、まず10万円を貯めることから始める。そして10万円貯まったら、次もまた10万円という風に少しずつ階段を上がっていくことが大切だ。「無理をせずにラクに動ける範囲が一番なんだよ」と一人さん。思いは「重い」のではなく、「軽い」ほうがいい。少しずつレベルアップをしていくことで、人生は豊かになるのだ。
上手くいかなったからこそ、ポジティブに
失敗したとき、上手くいかないときはついついネガティブな言葉を吐き出してしまいがち。しかし、一人さんは失敗したとき、ネガティブを考えたり言うことは余計に落ち込むだけだと指摘する。
「これじゃダメだ」ということが分かった。それは、いくらでも改善する余地が分かったということ。最初から上手くいくものはない。上手くいくように改良を重ねることが、成功への近道となる。
改良を加えるべきなのにまったく別のことに手を出しているなど、上手くいかなかったときは、上手くいかないような知恵が働いていると一人さん。上手くいかない状況をどう改善するかが、人生を豊かにするための岐路となるのだろう。
「ただ与えたい、褒めたい」という気持ちを持っているか?
惜しみなく与えることや誰かを褒めることに対して、消極的になってしまう人はいないだろうか。しかし、それでは人生は豊かにはならない。どんどん与え、どんどん褒めることが正解のようだ。
一人さんは「人はあんまり褒めない」と指摘したうえで、「自分ができることをやってあげる」くらいに気持ちでいいから、助けたり、与えたり、褒めたりすることで、そこで蒔いた種がいつか戻ってくると述べる。
与えること、褒めること。これは誰も損をしないことだ。なのに勿体ぶってやらない。それでは自分もそして周囲の人生も豊かにはならないだろう。
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一人さんの教えはとてもシンプル、そしてハードルが低いのでどんな人でも実践ができる。ただ、その教えを当たり前に続けていくということになると、途端に難しくなる。「こうなりたい」という思いを持ち続け、行動に移せるかどうか。それが人生を豊かにするための分かれ道になるのかもしれない。
著者である信長さんとの対談形式で本書は進んでいくが、その小気味よい話のやりとりも読みどころだ。恋愛について語るなど、一人さんの意外な一面を見ることができる一冊だ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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