自分で考えることができる自立した子になってほしいと願わない親はいないはず。しかし、今、自分で工夫をしたり、自分なりの疑問を持って自発的に行動出来ない大人が増えているといいます。彼らは“指示待ち族”と呼ばれ、誰かの指示や許可がなければ動くことができません。
では、自分で考えて決断することができる人に育てるにはどうすればいいのでしょうか。
人気文庫シリーズの最新作『出口 汪の「頭のいい子」を育てる技術』(出口汪/著、SBクリエイティブ/刊)では、本当に社会で通用する大人に育つ子育ての方法を教えてくれる1冊。
その中から、将来、自立した人間になるための方法を3つ、ご紹介いたします。
●屁理屈を言いだしても頭ごなしに否定はしないようにしよう
そもそも「自分で考えられる人」とはどういった人のことを指すのでしょうか。本書では「物事を論理的に考えられる人」のことを言います。
つまり、子どもが論理的に考えられるようになるために、親が手助けしてあげればいいのですが、逆に親が子どもの論理的思考力をなくしてしまうような受け応えをしてしまうことがあります。その代表例が、子どもが屁理屈を言い出したときに、親が頭ごなしに否定・反論するという対応です。
屁理屈を言うのは、自分で考え始めた証。なのに、そこで頭ごなしに否定をしてしまうと、子どもは「言っても無駄だ」と自分で考えることをやめてしまうかもしれません。子どもが屁理屈を言い出したら「この子も成長したんだな」と心の中で喜びましょう。
●親も「他者意識」を持って子どもに接する
論理的思考力と同じくらい大切なのが、周囲の人たち(他者)がどう思っているのかを考えることができる力です。相手の気持ちを思いやれる人になってほしいというのは、当然親ならば誰もが望むはず。そんな「他者意識」を持つようにするにはどうすればいいのでしょうか。
それは、親自身が他者意識を持って子どもに接すればいいのです。親はこんなことを考えているんだよ、と子どもが理解できるように話せば、他者意識の定着や、自立心の育成につながります。
子どもにとって親は、全てを受け入れてくれる存在。それでも、小学校高学年くらいになったら、折に触れて自分で考えるように促しましょう。親も他者であるということを意識させることで、自分で考える力が身についていくのです。
●子どもの好奇心や興味を摘み取らない
子どもは好奇心の塊。だから、いろいろなことを質問してくるはずです。そのとき、ちゃんと向き合って答えてあげられるかどうかが重要です。
質問に対して答えられなかったり、わからなかったりしたとき、「もう、うるさいわね」と邪険な態度を取ってしまうのは絶対にNG。きちんと答えてくれるかどうかを、子どもはちゃんと見ています。答えないことは好奇心の芽を摘んでしまうのと同じ。自分で決めることができない大人になります。
本書は、我が子の教育に不安を感じている専業主婦のれいさんが、夫とともに、恩師である出口さんの元に訪れ、会話形式で子育ての方法を教えてもらうという形式でページが進んでいきます。そのため、非常に理解しやすく、すらすらと読むことができるはず。
本当に社会で通用する人は、自分で考えて、判断し、動くことができる人です。そんな大人に育つように、本書を参考に子どもと接し方を見直してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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