堂々と自己アピールをして、積極的にリーダーシップをとり、相手の懐に飛び込んであっというまに距離を縮める。外交的な人はビジネスでは強い。
これに対して内向的な人は、能力的には優秀でもその性分のせいで外交的な人の陰に隠れたり、外交的な人を支える役回りになったりと、「裏方」や「脇役」にまわりがちだ。
ただ、引っ込み思案だったり、人と話すのが好きでなかったり、大人数のパーティーではいつも会場の片隅で居心地の悪い思いをしている人も、自分の長所と特徴に気づけば外交的な人を束ねたり、外交的な人と対等につき合うこともできる。要はいかに自分を知り、いかに自分の行動を戦略的にデザインするか、なのだ。
「内向的な人」の5つの特徴
昨年ベストセラーとなった『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(ジル・チャン著、神崎朗子訳、ダイヤモンド社刊)は、内向的な人がビジネスで力を発揮するためにどう動けばいいかを指南する。そこには「裏方に回れ」とも「外交的な人を支えろ」とも書かれていない。内向的な人が外交的な人の中で存在感を発揮し、主役になるための一冊だ。
ただ、「内向的」と言っても、自分が内向的かどうかはなかなか判断がつかないかもしれない。こんな点に心当たりがある人は、本書でいう「内向的な人」である。
・「即座の対応」が苦手
不測の事態が起こった時のとっさの対応や、当意即妙な切り返しなどが苦手。アドリブがきかない性格。
・エレベーターですぐ「閉じる」ボタンを押してしまう
自分が乗り込んだ後で、知らない人が入ってきて、短い間でも気づまりな時間を過ごすのが嫌。
・「軽い雑談」にストレスを感じる
初対面の相手やあまり知らない人とのちょっとした雑談の時間が苦手。そういう場面が生まれやすい大人数のイベントなどにはできるだけ行きたくない。
・新しい環境に慣れるのに時間がかかる
知らない人ばかりの環境で、新しく人間関係を結んでいくのに時間がかかる。
・できるならネットで完結したい
電話とネットならネットで済ませたい。電話での問い合わせはできるだけ避けたい。
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ここで取り上げたのは、いずれも本書でいう「内向的な人」の特徴。どれも「こんなことでは外交的な人には太刀打ちできない」と思えるかもしれないが、「即座の対応」は練習を重ねることや徹底的に情報を集めることで克服できるし、新しい環境は、「自分対大勢」ではなく「一対一」のコミュニケーションを重視し、一人ずつ話せる人を増やしていく意識で乗り越えることができる。
そして、本書では自分を変えて「外交的」になろうとしないように、とアドバイスしている。そんなことをしなくても、自分の性格のままできっとうまくいく。本書ではそのためにすべきこと、考えるべきことを教えてくれるだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。