ビジネスの現場やプライベート、さまざまなシーンで人選び、仲間集めは重要だ。何か成功を目指すとき、「誰とやるか」でその成果は変わってくる。では、どうしたら人を選ぶ際に大切な「人を見る目」を養えるのか。
「人を見る目」を養うために知るべき4つの階層
『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野荘彦著、フォレスト出版刊)では、起業家・経営者・コンサルのトリプルキャリアを持ち、世界最高峰ヘッドハンティングファームの共同経営者を務め、100社以上、5000人超のハイクラス人材を見極めた経営・人材のプロである小野荘彦氏が、一般のシーンで使えるようにアレンジし、小野氏の経験からくる事例を交えつつ、誰でも結果が出せる人を選ぶ技術を解説する。
「人を見る」という力を磨くには、人を見るための思考の枠組となるフレームワークを持ってはじめて、なりゆき任せではない意思を込めた試行錯誤が可能となり、習得が進む。
そのフレームワークとは、人を4つの階層で捉えることだ。地上1階が「経験・知識・スキル」、地下1階が「コンピテンシー」、地下2階が「ポテンシャル」、そして最下層の3階が「ソース・オブ・エナジー」と、人間を地下深くに建てられた建物のように、階層として捉える。
地上に出ているものほど他人から見えやすく、わかりやすく、そして変わりやすい。一方、地下に潜れば潜るほど見えにくく、わかりにくく、変わりにくい。
地上1階の「経験・知識・スキル」はとても見やすく、わかりやすく、変わりやすい。ただし、ほとんどの面接はこの階層を触るだけで終わってしまう。地下1階の「コンピテンシー」は「好業績者の行動特性」と訳される。その人がどんなシチュエーションで、どういうリアクションを取りがちかという固有の行動パターンがわかる。これは、相手の将来の行動を予測するのに使える。地下2階の「ポテンシャル」は器のことで、その人の「伸びしろ」のこと。
そして、地下3階の「ソース・オブ・エナジー」は、エネルギーの源泉。言い換えると、使命感と劣等感といったその人の精神性のこと。使命感は、ちょっとのことでは揺るがない強固な精神性をその人物に授ける働きがある。劣等感はネガティブな意味で使われるが多いが、人の成長において使命感と同じく、その人の人生の発展にプラスに働くポジティブなもの。劣等感は矢印を自分に向けることさえできれば、大きなパワーを生み出すこともあるからだ。
4つの階層からなる人を見るためのフレームワークという型を理解することで、「人を見る」力を身につける近道となるのだ。
「人を見る力」は、教育・トレーニングを受ける場があまりない。本書から人を見るためのフレームワークを理解し、技術を身につけることで、人選び・仲間集めで失敗することがなくなるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。