対話型 AI「ChatGPT」など、AIが話題に上がることが増えた。いつまでに人間の仕事の何割がAIによって置き換わるだろうという、思わず不安になる予想を目にすることも多い。10年後、20年後にも自分の能力は社会に必要とされているだろうか、多くの人にとって、それは不確かで憂鬱な疑念だ。
人類は歴史上初めて「自分よりも頭の良いもの」と共存しようとしている。その未来を見据えながら、人間が生きていくために必要な能力はどんなものなのか。
人類が「自分よりも賢いもの」と共存する時代に必要な能力
『超AI時代の「頭の強さ」』(齋藤孝著、ベストセラーズ刊)では、明治大学文学部教授の齋藤孝氏が、「頭の強さ」をキーワードとして、超AI時代を生き抜くために「頭の良さ」の真髄を語り、「真に頭を強くするための方法」を紹介する。
AI時代に求められる「頭の強さ」とは、ものごとの本質を素早くつかむ力であると、齋藤氏は述べる。その本質をつかむ力というのは、どうやって鍛えることができるのか。本質とは、偉い先生だけが知る真理などではないし、体得すればそれで終わりという知識でもない。むしろ問いや文脈に応じて姿を変えながら、その時々で立ち現れてくるものだ。なので、本質というのは目的がはっきりしないと、いくら考えてみてもそれをつかみ取ることができない。
本質をつかむ力というのは、ぼんやり考え続けているといつか得られるようなものではなく、アウトプットを想定しながらインプットをすることで鍛えることができるものだ。では、具体的に何をして鍛えればいいのか。今、求められていることは何なのか。それを優先順位の高いものから箇条書きにしてみるといい。
これをどんな場面でもやることを習慣にすること。たとえば、何か本を1冊、今から10分で読んでみる。どの章が一番重要か。そのなかでも大切な見開き3箇所に付箋を貼ってみる、というような課題に挑戦する。選んだところが良ければ、その本の本質を素早くつかめたということになる。
AIが台頭してくるこれからの時代、頭が良いだけでは生き残れないかもしれない。本書から「頭の強さ」を鍛える方法を学び、実践することで、時代や社会のどんな急激な変化にも柔軟に対処し、活躍できる人材になることができるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。