—お金の使い方が、明らかに間違っているわけですね。
菅井 車が好きで車は人生そのものという人や、子供を有名私立小学校に入れてあげたいと思う人が、そのためにお金を使うのなら、他の支出を減らしてバランスを取らなければなりません。ところが有名私立小学校に入れると、見栄を張るために高額な自宅に引っ越したり、車を高級車に買い替えたりする人が少なくないのです。やがて行き詰まってしまいます。信用金庫はメガバンク以上に人物をしっかり見ています。お金の管理がしっかりしているかどうかで、信用できる人かどうかを判断しているのです。
–人生最大の買い物といわれる住宅の購入に当たり、守るべき鉄則はなんでしょうか?
菅井 住宅購入は不動産投資であるという認識を持つことです。不動産投資であれば、貸しやすい物件かどうか、売却しやすい物件かどうかを判断して購入しなければなりません。最悪の購入パターンは、郊外の戸建住宅です。
郊外にあって最寄り駅からバスで通うような立地にある住宅に、借り手がつくでしょうか? 購入価格から大幅に削減されない価格で売却できるでしょうか? 条件の良い物件ならば、現金が必要になった時に賃貸や売却に回せます。憧れの生活シーンに惑わされながら住宅購入を考えると、投資価値のない物件を選んでしまうのです。出口を考えて購入することが基本です。
–ところで、菅井さんは48歳で独立され、現在はアパート経営やカフェ経営をなされていますが、独立されたきっかけは、なんだったのでしょうか?
菅井 50歳までには独立しようと考えていましたが、三井住友銀行の金沢八景支店長に就任していた時、幸せそうな人を10人見たことが、今の事業のきっかけになりました。10人に共通していたのは、お金と時間から自由であるという点で、そのうち8人がアパート経営などで不労所得を得ていました。たとえ1億円の預金を持っていても、毎月の収入がない高齢者などは幸せそうに見えませんでしたが、預金がさほどの額でない方でも、不労所得で元気に暮らしていましたね。この10人を見て、不動産事業に関心を持っていたことから、土曜日と日曜日はアパート経営の準備に費やしました。
ぜひ皆さんにも、正しいお金の常識を身につけ、幸せな人生を送っていただきたいと思います。
–ありがとうございました。