ビジネスジャーナル > キャリアニュース > 顧客が買わない理由の検証?  > 3ページ目
NEW
永井孝尚「企業の現場で使えるビジネス戦略講座」(12月17日)

顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法

文=永井孝尚/オフィス永井代表

 ではどうすればよいのか? 仮説は検証しなければならない。そこでリアルな顧客に対して、本当に「顧客が買う理由」が正しいのかを検証するのだ。

 まず最初に検証すべきは、ターゲットとして想定した顧客が本当に想定した課題を持っているか、ということだ。もしかしたら想定した課題は持っていなかったり、あるいはまったく別の課題を持っているかもしれない。

 そこで顧客にインタビューを行うのだ。リアルな顧客と接することで、新しい発見が得られるケースが多い。それを深掘りするのだ。

 大切なことは、リアルな顧客に会う際に、必ず考え抜いた「仮説」を持っておくことだ。「仮説」を持たずに話を聞くと、顧客はいろいろなことを話し始める。仮説を持っていないと、判断する基準がなくなってしまう。その結果、顧客の「言いなり」になる。逆に仮説があれば、顧客がターゲットか否か、課題が正しいか否か、解決策が正しいか否か、基準を持って判断できるのだ。

 あるいは暫定的な試作品をつくり、試験販売してみてもよい。顧客が実際にお金を払うかどうかがわかり、何よりも強力な仮説の検証となる。同書でも、主人公は体当たりでさまざまなカフェに立ち寄り、身体を持って学びながら仮説をつくっていく。

 現代の戦略は、リアルな顧客の姿を捉え、現場で仮説検証を繰り返しながら、進化させて策定していくのである。
(文=永井孝尚/オフィス永井代表)

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

 マーケティング戦略アドバイザー。1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社して独立。マーケティング思考を日本に根付かせることを目的に、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任。専門用語を使わずにわかりやすい言葉でマーケティングの本質を伝えることをモットーとし、幅広い企業や団体へ年間数十件の講演やワークショップ研修を実施。さらに書籍・雑誌の執筆、メディア出演などで、より多くの人たちにマーケティングの面白さを伝え続けている。主な著書に、シリーズ累計60万部を突破した『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ(全3巻、コミック版全3巻、図解版、文庫版)、『そうだ、星を売ろう』、『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』、『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』(以上KADOKAWA)、『「戦略力」が身につく方法』(PHPビジネス新書)がある。最新著は『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)

・問い合わせ先:永井孝尚オフィシャルサイト

Twitter:@takahisanagai

顧客が “買わない”理由の検証は、なぜ失敗する?「ニーズ断捨離」の具体的手法のページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!