今、アドラー心理学が注目を集めている。
アドラー心理学は、オーストラリア出身の精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラー(1870~1937)を創始した心理学だ。自身の心理学理論を「個人心理学」と名付け、人間のあらゆる悩みの根本は人間関係にあるとしている。確かに、アドラーが言うように、現代社会でも仕事の悩みで最も多いのが人間関係によるものだ。
『つながる勇気 アドラー心理学がよくわかる動物たちのフォトブック』(岩井俊憲/著、マキノ出版/刊)は、そんなアドラー心理学を「読んで学ぶ」のではなく、「見て感じる」フォトブックだ。
アドラーは、私たちが幸せになるために重要なライフタスク(人生の課題)を「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」の3つに分類している。
例えば仕事のタスク。仕事の人間関係は社会で生きて行くのに欠かせない課題だ。
どのような人間関係でも、調和を維持するには、はっきりとした協力のルールが不可欠である。とはいえ、ルールといっても、堅苦しいものではない。朝は「おはよう」と元気にあいさつするといったルールだ。または、「約束は守る」「ウソはつかない」など、誰にでもできる程度のこと。そういうあたりまえのルールが実は最も大事であり、そうやって、ふだんの人間関係をスムーズに保っていれば、ちょっとくらいトラブルが起きても大丈夫なのだ。
組織や社会といった共同体のために自分に何ができるかを考えて行動する。その感性のことを「共同体感覚」とアドラーは呼ぶ。そしてアドラーは、幸せになるために不可欠な要素として、この「共同体感覚」を挙げている。人間関係がわずらわしいと思う人は多いかもしれないが、それを避けてしまうと、幸せも逃してしまうということにもなるのだ。
共同体感覚を持つためには、横のつながりを大切にしないといけない。相手の立場で考えることは、相手の悩みも一緒に受け止めること。悩みを受け止めてもらった人は、そのことを必ず感謝するはず。そして、巡り巡って自分に利益をもたらすことになるのだ。
アドラーの言葉と動物たちの写真から「仲間と共に生きる意味」「つながる意味」を感じ取ることができる本書から、人間関係を円満にするヒントを得ることができるはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。