お金は人を幸福感で満たすものであるとともに、人を狂わせてしまうものでもあります。年収10億円超の経営者がテレビに出演して豪華な生活を見せびらかしたり、「成功者」と言われる人たちがお金持ちになるための指南書を執筆したりと、“成金”といわれる人たちの優雅な生活に憧れを抱く人たちも多いでしょう。
ですが、成金といわれる人の多くは、その後なんらかの形で破綻し、困窮にあえぐことがしばしばあります。
そう、彼らは本当のお金持ちではありません。本当のお金持ちとは「ずっとお金持ち」でいられる人たちのこと。「成金」は分かりやすいのですが、「ずっとお金持ち」は分かりにくく、「エッ、あの人ってそんなにお金持ちだったの?」ということもあるそうです。
■成金で終わる人とずっとお金持ちの人の見分け方とは?
“お金のプロ”である税理士の岩佐孝彦さんは著書『「ずっとお金持ち」の人 成金で終わる人』(日本実業出版社/刊)の中で次のように述べています。
成金は“孔雀が羽を広げる”ように歩き、ずっとお金持ちは“能ある鷹が爪を隠す”ように歩く(p20より)
例えば、世間で一流と言われる評判の高い店に行って、高級料理を食べ、満足感を得ている人は“成金”です。こういう人は、すぐにそうしたお店に通わなくなるそう。逆に3年、5年など長くお店に通う人は豪遊せず、毎回基本コースを堪能することが多く、そういう人こそ本当のお金持ちなのだといいます。
また、岩佐さんの知り合いである不動産オーナーの二代目は普段、地味な服装をしていますが、家には高級腕時計のコレクションが…。彼は「ひとりで眺めて楽しんでいる」と言っているそうです。
いずれ落ちぶれる「成金」は、いかに自分がお金持ちか、素晴らしい人間なのかを孔雀が羽根を広げるがごとく誇示します。一方、ずっとお金持ちでいられる人は能ある鷹が爪を隠すように歩きます。
成金で終わってしまう人は、それ相応の言動を重ねます。やたら自分の誇示ばかりしているお金持ちがいれば、それは成金で終わってしまう確率が高いのです。
■自分の代はお金持ちでも、相続で子どもが貧乏に!?
では、富を築いたとして、どのように次代にお金を相続させていけばいいのでしょうか。
有名高級ブランドのグッチ一族のように、「すべての株は家族のメンバーだけで所有する」という家訓を残してしまったがゆえに、一族が没落してしまったというケースもあります。
日本には「金持ち三代続かず」という言葉があります。これは、一代で財を成した親が習得した資産管理のノウハウを子どもに伝えるのがいかに難しいかということ、日本の相続税がいかに高いかということの2つの意味があります。
特に後者は、今年1月に増税になったこともあり、気になっている人は多いでしょう。親からの財産を相続したところ、貧乏になってしまったという子も珍しくはありません。