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【2】ソフトバンクのサービスとプロダクトの戦略

ソフトバンクグループのビジネス戦略を徹底分析!

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 インターネットバブル時代には、一般のITへの無理解もあり「虚業家」とも揶揄されたが、00年代には名実共に実業家として認められる存在となった孫正義。そのグループ経営手法も、日本のグループ企業にはなかった独特のものだ。

「グループの力を集中させるのではなくて、拡散させているのが独特ですよね。グループ企業一覧を眺めていると、一見、ソフトバンクモバイルなどのコ ア事業と関連がなさそうな企業がたくさんある。特に00年代の初めくらいまでは、いろいろな会社を買ってどの芽が出るかを模索していたので、とにかく小さ い企業が多く、ディテールが全然わからなかった。収益も、グループ企業内に黒字もあれば赤字もあり、トータルで黒字ならいいだろうという『時価総額経営』 で、この考え方自体、孫さんが日本に持ち込んだものです」

 従来の日本のグループ企業の場合、各社がそれなりの収益を上げる必要があると考えられていたため、00年当時には斬新だった時価総額経営。もっと も、そのいきすぎた姿がライブドアグループだったともいえるわけだが、最近では当の孫正義自身ですら、あまり時価総額経営という言葉を持ち出さなくなった という。

「小さな会社を買いまくって経営する姿は、かつてはすごく危なっかしく映ったんですが、今こうしてソフトバンクモバイルを中心にコアビジネスが確立していると、同じ投資をやっていても、すごく安定してグループが運営されているように見えるんですよね」(前出・溝上氏)

 では、今後のソフトバンクグループはどうなるのか? 2月2日に行われた11年度第3四半期の決算発表では、20年までに目指していた営業利益1 兆円の目処を明確に「2016年」とするなど、同社として初めて具体的な中期目標を示した。ちなみに、現在営業利益1兆円を超す企業は、世界的に見て、 IBM、マイクロソフト、GE、インテル、アップルの5社のみだ。さらに少し前になるが、10年6月には今後の成長目標を示した「新30年ビジョン」を発 表。事業領域は情報産業で、特定のテクノロジー、ビジネスモデルにこだわらないとし、時価総額200兆円規模、総勢5000社規模のグループに拡大する と、孫氏自らブチ上げている。

「成長が期待される会社や、自分たちの事業に必要な技術を持つ会社を取り込んでどんどん大きくなっていくというやり方は、グーグルやフェイスブック に似ています。両社は世界にそのまま広げられるプラットフォームを持っていましたが、ソフトバンクにはそれはない。05年前後から、中国を始めとしたアジ ア圏でのベンチャーファンドの設立やIT企業への出資を盛んに行うようになりましたが、そうした形で現地の企業を傘下に取り込んで、グローバルに影響圏を 広げていこう、ということなのではないか」と、このビジョンを見て経済誌の記者は分析する。

BusinessJournal編集部

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