マック、ナイキ…ファンと売上を増やす新しいサイトの仕組みとは?
ゆめみのHPより。
なぜ、仕事や勉強は集中できないのに、ゲームは積極的に続けられるのか……?
実は今、そういう人々をやる気にさせるゲームの仕組みを、ネットのビジネスにも活用しようという動きが出てきている。キーワードは、ここ1年ほどネットで注目を集めている「ゲーミフィケーション」。
ゲームと聞くと、サイトで提供するミニゲームを想像しがちだが、そうした単純な話ではないという。国内におけるゲーミフィケーションの第一人者で、書籍『ゲームにすればうまくいく─<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク』(NHK出版)など関連書籍を手掛ける、株式会社ゆめみの代表取締役社長、深田浩嗣氏に話を聞いた。
――まず、ゲーミフィケーションとはなんでしょうか?
深田浩嗣氏(以下、深田) ユーザーになんらかの行動を起こしてもらったり、企業やサイトへの「エンゲージメント」(愛着心)を高めたりする仕組みです。よくあるのは「それってゲームなの?」という話ですが、サービスにキャラクターを登場させたり、ミニゲームを入れたりというのではありません。
ウェブサービスを運営していると、ユーザーがサイトに長時間いてくれなかったり、商品の購入や資料請求など最終的な目的にたどり着いてくれなかったりといった悩みが出てくることがあります。それは企業やブランドに対する、ユーザーのエンゲージメントが低いから起こってしまう。ユーザーがサイトの中でどういった行動をしていて、どういう仕組みを入れたらエンゲージメントが上がるのか?
ゲームの仕組みを使ってファンを増やすというのが、ゲーミフィケーションの本質です。
――有名な具体例は?
深田 ナイキが提供している「Nike+」をよく挙げます。リストバンドやiPhone/iPod touchと連動するシューズなどのギアが出ていて、歩数や消費カロリー、「NikeFuel」という独特の単位を算出してくれる。「万歩計 2.0」みたいな存在ですね。
そのデータを「Nike+」のウェブサービスにアップロードすることで、「これだけ歩いた」とか、「目標を達成した」とかが可視化される。僕は走るのが苦手なのですが、数値を見せられると、「普段はやらないけど、階段で上り下りしてみようかな」という気分になる。一人遊び感覚で、やる気が出てくるという。
さらに「Nike+」では、登録している友人がどれだけ運動しているのかも表示されます。ホーム画面を見て自分が負けているのがわかると、追い越そうと努力してしまいますよね。ゲーミフィケーションが非常によくできている。
――ゆめみでも、ゲーミフィケーションを使ったサービスを提供していますか?