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メーカーに脱レアアースの動きも出てきた。精密小型モーターの日本電産は、レアアースを使わないモーターの実用化を目指している。日立製作所はパソコンのハードディスクやエアコンに使われているレアアースを取り出してリサイクルする技術を開発した。レアアースを使わない高性能のモーターも開発している。政府はレアアースの加工やリサイクル設備の更新を後押しする補助制度を設けた。数年後には日本でのレアアースの年間使用量の45%弱にあたる1万2000トンを節約できるようになると期待されている。
ホンダはレアアースをHV電池から回収する技術を確立した。
レアアースを対日カードとして切ったことに対して中国側でも「失敗だった」との指摘が出ている。その理由は、「世界中で日本ほど高値で買ってくれる、いいお客はいない」からだ。対日輸出がこれ以上、減ると中国でレアアース関連倒産が多発する恐れが強い。「市場の実態を無視したレアアース政策(政治的カードとして使ったことを指す)が混乱につながった」との批判が現地で出ている。
日本はインド、カザフスタン、ベトナム、オーストラリアからのレアアース供給に道筋をつけ、13年から対日輸出が開始あるいは輸出量が増える。4カ国による日本への輸出総量は1万5500トンと、日本の年間消費量の半分を上回り(57%)、中国からの輸入比率を大幅に引き下げることができる。リサイクルに加えて、レアアースを使わないハイテク商品の開発で消費量はさらに減る。中国からの輸入量が30%以下になる日も近い。30%なら全面禁輸されても、十分に乗り切れる。
日本の業界関係者によると、「日本が今年、中国から輸入するレアアースは1万トン程度にまで急落し、過去10年間で最低水準になる」
数量だけではない。「価格の下落にも歯止めがかからない」という。
日本のレアアース的なアプローチが、中国最大手のレアアース企業を生産中止に追い込んだ。こうした地道な取り組みが、全ての経済活動に政治を絡めてくる中国に対するカウンターブローになることを証明した。
(文=編集部)
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