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4月は0.5%減と前年割れ。今後どうなるのか?

都心百貨店、宝石売れまくりで絶好調! 一方、地方百貨店はSCに客奪われマイナス成長

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ウハウハ。(撮影:663highland「Wikipedia」より)
 大手百貨店の中元商戦が5月29日、本格的にスタートした。消費者の「お中元離れ」が続く中、各社はアベノミクスによる景気回復の追い風に期待している。8月上旬まで続く商戦で前年を上回る売り上げを目指す。

 だが、懸念材料もある。景気を支えてきた個人消費に一服感が出てきたことだ。日本百貨店協会がまとめた4月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年同月比0.5%減の4767億円と4カ月ぶりに前年割れとなった。

 2013年1~3月は3カ月連続でプラスだった。3カ月連続の増加は05年9~12月以来、実に7年ぶりのことだ。主要10都市以外の地方百貨店に限っても3月は0.7%増と4カ月ぶりにプラスに転じた。消費の回復が全国的に広がってきたことをうかがわせた。

 しかし、4月は再びマイナスに転じた。売り上げの3割を占める衣料品(前年同月比3.1%減)が天候不順で苦戦し、これが大きく響いた。3月は衣料品(同4.8%増)が好調で全体(同3.9%増)を押し上げた。

 一方で、株高に伴う資産効果で、美術品・宝飾・貴金属は同18.8%増と引き続き全体を下支えした。高級輸入バッグなど高級ブランド品を含む身の回り品は6カ月連続で前年同月を上回った。また、円安の進行で東南アジアなどを中心に来日観光客が増え、免税売上高が38億6000万円(同53.3%増)と09年1月の統計開始以来で最高の伸びを記録した。

 こうした中で2極化がより鮮明になった。東京と地方の格差が、さらに拡大しただけではない。大手百貨店も2極化した。

 主要10都市以外の地方百貨店の4月の売上高は同3.3%減。主力の衣料品は同5.7%減。美術品・宝飾・貴金属(同8.2%増)だけが唯一プラスだった。宝飾・貴金属などの高額品が足踏みすれば、地方百貨店のマイナス成長に歯止めが利かなくなる恐れがある。

 東京地区百貨店(13社26店)は同2.1%増で、4カ月連続のプラスとなった。衣料品は3カ月連続、雑貨が2カ月連続、家庭用品が2カ月ぶりのプラス。美術品・宝飾・貴金属は実に同33.0%増で、全国平均を大きく上回った。

 大手百貨店4社の4月の売上高は2極化した。3月まで2カ月連続で4社とも増収だったが、4月は2社が前年実績を下回った。

 明暗の暗は高島屋。子会社4店を含むグループ全体(18店)の売り上げは0.5%減となった。日曜日が前年より1日少ないこともあり、前年実績に届かなかった。主力の東京・日本橋店は5.0%増、大阪店は1.5%減だった。東高西低だ。

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は、雨天や気温の低い日が続いたことで衣料品の動きが鈍く、同2.3%減と振るわなかった。主力の西武池袋本店(同0.1%増)、そごう横浜店(同1.3%増)は増収を確保した。

 他方、大丸と松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングの百貨店事業(19店)は同4.0%増と9カ月連続のプラス。美術品・宝飾・貴金属(同34.4%増)が大幅に伸びたほか、6月末に閉店する松坂屋銀座店のセール(同2.6倍)による嵩上げ効果で増収となった。

 三越伊勢丹ホールディングス傘下の三越伊勢丹の全店(9店)の売上高は同2.8%増。基幹3店では、3月に全面改装オープンした伊勢丹新宿本店が同7.0%増、三越日本橋店が同2.3%増、三越銀座店が同3.8%増。国内グループ百貨店(10店)は3店が増収、7店が減収だった。

 株高とともに百貨店は回復基調にあるが、地方や郊外の店舗と東京など大都市の店舗の売り上げの格差は一段と広がった。高級ブランドや高級腕時計などの売れ筋商品が大都市の店舗に集まり、地方・郊外店の客が流出しているからだ。