『正しい太鼓のもち方』『正しいブスのほめ方』(いずれも宝島社)という本が話題を集めている。
「太鼓もち」とは「人にへつらって気に入られようとする者」という、あまりよくない意味で使われる。「ブス」は言わずもがなだ。そのマイナスなイメージの言葉をあえて前面に押し出し、付き合いづらい上司、同僚などとの関係に悩むビジネスパーソンに、ユーモアを交えて「人間関係はこうやって築くべし」と教えてくれるのが上記の2冊だ。
これらの本を執筆したトキオ・ナレッジとは、いったい何者なのだろうか? 今回は、謎に包まれた著者に迫り、執筆に至った経緯を伺った。
–「トキオ・ナレッジ」とは、どのような方々が集まっていて、どのような活動をされていらっしゃるのでしょうか?
トキオ・ナレッジ(以下、トキオ) 基本的に、利害関係ゼロの雑談仲間です。お酒が入ることもあれば、まったく入らないこともあります。弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成されています。書籍制作にあたる主なメンバー(文末にて紹介)以外は、ネタ出し、ダメ出し、ひやかし、応援、傍観、スルーなど思い思いのスタンスで参加しています。
–『正しい太鼓のもち方』『正しいブスのほめ方』は、どのような経緯で出版に至ったのでしょうか?
トキオ これはもともと雑談の中で「それ、イチローも同じこと言ってましたよ」とか「赤が似合うなあ!」といった「言われてうれしいフレーズ」に注目が集まり、「なんでうれしいんやろか?」という雑談から、企画が動き始めました。
–出版にあたり、かなり多くのタイプの人物を研究されたようですが、どのようにネタ集めをされたのでしょうか?
トキオ メンバーが過去に出会った人たちのステレオタイプ像をまとめました。
–それらの人物をカテゴライズする際に、かなり心理学的要素が入っていますが、専門家がいらっしゃるのでしょうか?
トキオ 特にいませんが、心理学の書籍を編集しているメンバーがいるため、影響を受けている部分もあるのもしれません。
–「コミュニケーションの取り方」をテーマとして、広くかつ優しくビジネスパーソンに提言しているように見受けられますが、現代の若者のコミュニケーションは、どのあたりに問題があるとお感じでしょうか?
トキオ 若者が特にコミュニケーションに難ありとは考えていませんが、全世代的に「思いやり」のなさがコミュニケーション不全につながっているといえます。
–その原因は、どこにあるとお考えでしょうか? また、その対処法はありますか?
トキオ 「個人主義」といえば聞こえはよいかもしれません。けれども、やっぱり「自分さえよければそれでイイ」という考え方では、軋轢(あつれき)しか生まれません。円滑な人間関係は、相手のイイところを見つけてあげる、気づいてあげる、認めてあげる、ほめてあげることで築けます。結果、お願いを聞いてもらったり、助けてもらったりできる。「情けは人のためならず」なのです。
目上の人が相手なら、尊敬させていただき、太鼓を持たせていただくべきでしょう。
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