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西川淳「ボンジョルノ!クルマ」(11月27日)

話題のトヨタ「ミライ」、試乗の感想「最高」 課題は「ユーザのメリットのなさ」克服

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トヨタ自動車「ミライ」
 11月17日には本田技研工業(ホンダ)が、翌18日にはトヨタ自動車が相次いで燃料電池車(FCV)に関する重要な発表を行った。

 ホンダは「FCVコンセプト」と称して2015年度中にFCVの市販を目指すというものだったのに対して、トヨタは正式な市販車両発表で、12月15日という具体的な発売日も明かした。車名は「MIRAI(ミライ)」で価格は723.6万円(税込)、取り扱いディーラーはトヨタ店、トヨペット店となる。

 6月に経済産業省は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」をまとめ、7月には安倍晋三首相がミライのプロトタイプに試乗。そこからFCVに対する一般の関心も大いに高まり、年末のトヨタとホンダによるビッグイベントに向かって地ならしが行われてきた。東京都の舛添要一知事に至ってはミライ試乗後、「2020年の東京オリンピック開催時に会場周辺で使用可能な車両はすべてFCVにしたい」と発言。官民一体となって自動車産業の未来を盛り上げる気運が高まっている。

●トヨタ車の中で最高レベル


 燃料電池の仕組みや各社の取組みについては、すでにさまざまなメディアで取り上げられているが、「旧世代車」を愛してやまない筆者が「究極の次世代車」と称されるFCVのミライに試乗した率直な感想と、FCVの抱える課題について報告したい。

 試乗会は、未登録車であったためクローズドコースを貸し切って行われた。サーキットではなく、適度に路面の荒れた自転車用コースであり、ロードカーの秘密テストには好適な場所だといっていい。

「自動車の次の100年のために、今やらなければならない」という開発責任者の熱いプレゼンテーションの後、コース脇に並べられたミライに案内された。細かな仕様以外、市販モデルとまったく同じ仕様であるため、特別なレクチャーを受けなくても一般的な自動車と同じように操縦できる必要がある。そうでなければ次世代車としては失格といえよう。

 実際にミライに乗車すると、苦もなくほとんど音もなく走り出したが、1点悩んだのは、パーキングブレーキの解除方法がわからなかった点だ。未来を担う最新モデルのため電気自動車(EV)式だという思い込みが、足踏み式の存在を見過ごさせた。悪いのは見逃した筆者のほうだが、「夢の自動車に旧態然とした足踏み式なんて」と悪態のひとつもつきたくなる。

 ちょっとしたマイナス査定からのスタートとなったが、ひとつめのコーナーを曲がったあたりで、もうおつりがくるほどプラス査定へと印象が変わった。