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LCC、優劣鮮明に 分け目はハブ空港、関空のピーチ独り勝ち、成田は軒並み苦境

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ジェットスター・ジャパンの航空機(「Wikipedia」より/Jasabella)
 成田空港をハブ(拠点)空港とするLCC(格安航空会社)が岐路に立たされている。

 ジェットスター・ジャパンの2014年6月期単独決算は、赤字幅が拡大した。売上高は前期比2.3倍の290億円と倍増したが、営業利益では68億円の赤字(前期は64億円の赤字)、最終損益は111億円の赤字(同88億円の赤字)だった。赤字は3年連続で、15年6月期も赤字が続く見通しだ。同社は最終赤字が拡大した理由について「予定していた関西国際空港の第2拠点化と国際線への進出が遅れたため」と説明した。航空業界関係者が語る。

「同社は12年10月に関空を第2のハブにする計画だったが、経験年数が足りない整備士が機体を点検していたことが発覚して、今年6月まで関空に整備拠点を置くことができなかった。この間、リースしているエアバスA320型18機のうち実際に稼動したのは12~13機にとどまった。リース料などの費用が収益を圧迫し、増収にもかかわらず赤字拡大につながった。来春をメドに国際線に参入する計画で、年内に2機増やして20機体制にする」

 問題は資金力だ。13年10月、日本航空と豪カンタス航空がそれぞれ55億円の第三者割当増資を引き受けたが、議決権のない株式による増資のため、議決権ベースの出資比率は日航とカンタスが33.3%、三菱商事と東京センチュリーリースは16.7%ずつで変更はない。
赤字幅の拡大により半年余りで増資分を食い潰し、110億円の増資も焼け石に水となった。14年6月期末の株式資本は、わずか4億円。

 債務超過を回避するためには、大株主である日航とカンタスに追加出資を求めるしか策はないとみられていたが、11月28日、両社はジェットスターに最大110億円を追加出資すると発表した。ジェットスターは議決権のない株式による第三者割当増資で両社からそれぞれ35億円ずつ計70億円を調達した。さらに財務状況に応じて両社から20億円ずつ計40億円の追加出資を受ける。増資後も議決権ベースの出資比率は日航、カンタスとも33.3%で変わらない。

●関空拠点のピーチ独り勝ち


 成田空港をハブとするLCCと、関空ハブのLCCは明暗を分けた。関空が拠点のピーチ・アビエーションは12年3月の就航以来、3年で黒字を達成した。14年3月期の売上高は前期比2.1倍の305億円、営業利益は20億円の黒字(前期は9億円の赤字)、最終損益は10億円の黒字(同12億円の赤字)に転換した。