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住友商事、ヨーカ堂に惨敗 ネットスーパー事業参入からわずか8年で撤退 黒字化見えず

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サミットの店舗(「Wikipedia」より/Kentin)
 住友商事は、年商1000億円を目指したネットスーパー事業から撤退する。住商の孫会社に当たるサミットネットスーパーは、インターネットで生鮮食品などの注文を受け、個人宅に配送するサービスを10月末で終えた。撤退する理由は、赤字経営が続き、今後も黒字に転換する見通しが立たないためだ。ネットスーパー事業には流通大手が続々と参入しているが、住商は早くも壁にぶち当たった格好となった。

 住商は2008年12月に100%出資の子会社、住商ネットスーパーを設立し、ネットスーパー事業に参入した。同じ住商の100%子会社である食品スーパー、サミットと07年4月から運営してきた店舗出荷型ネットスーパーのノウハウを活用して、センター出荷型のネットスーパーの運営に乗り出した。

 ネットスーパーには、現在主流となっている店舗出荷型と、専用の配送センターから配送するセンター出荷型があるが、住商ネットスーパーは首都圏で初めてセンター出荷型を採用。先行投資が必要なセンター出荷型を採用したのは、ネットスーパーの将来性と規模の拡大を見据え、センター出荷型のほうがサービスの高度化が可能だと判断したためだ。江古田配送センター(東京・中野)、尾山台配送センター(東京・世田谷)、横浜配送センター(横浜市)の3つの配送拠点を設置し、11年からサミットネットスーパーのサービスを開始した。

 住商が11年に行ったメディア・生活関連事業部門の説明会では、ネットスーパー事業について事業開始10年後に1000億円の売上高を目指すとの方針を掲げ、14年度に単年度で黒字にするとした。東京都と神奈川県で約30万人(14年2月時点)の会員を獲得したが、想定したほど会員数は伸びなかった。サミットが展開するサミットストアは首都圏に100店超あるが、イトーヨーカ堂やイオンの大型店と比べると集客力で劣る。同店で買い物をしたことがない消費者をサミットネットスーパーに呼び込むことは難しかった。

 そのため赤字が続き、黒字転換のメドが立たなくなったため、住商は傷口がさらに広がると判断し、早期撤退を決断した。

●店舗出荷型とセンター出荷型


 流通大手各社がネットスーパーに参入したのは2000年から。西友とイトーヨーカ堂が先行し、08年にはダイエーやイオンが追随。当初は近所のスーパーで買えるものをわざわざネットで買う必要があるのかとの不要論もあったが、15年度には市場全体で1000億円超まで拡大すると予想されている。

 店舗出荷型、センター出荷型ともに一長一短がある。前者は店舗の在庫と連動しているため初期投資は少ない。半面、配送拠点となる各店舗は注文された品の収集や梱包をする人員、個人宅へ配送するための車両などを確保しておく必要があり、管理コストがかさむ。しかも、コンスタントに注文が入るわけではない。ネットスーパーの注文数がハネ上がるのは、猛暑、台風、雪など、消費者が店舗へ行くのが難しい天候の時が多い。注文件数が急増した日には、集荷する人員、集荷された商品の梱包作業をするスペース、配送車両が不足することにもなる。