仕事が速く、正確で、なおかつクオリティも高い。そんなデキるビジネスマンは、失敗をしないと思っている人は多いでしょう。しかし、実際はそうではありません。どんな人でも失敗はします。失敗をしない人は挑戦しない人です。
では、デキる人は何が違うのか?
株式会社武蔵野の代表取締役社長で、550社以上の企業の経営指導を手がけてきた小山昇さんは著書『小山昇の失敗は蜜の味』(日経BP社/刊)で次のように述べます。
「デキる人は『失敗の後』が違う」(p83より)
小山さんは会社を経営する中で、従業員たちに「できるだけ多くの失敗をせよ」と説いています。
普通、「失敗」はネガティブなものとして受け取られます。「失敗したらどうしよう」という想いから、足を止めてしまったことが何回もある。そんな人も多いでしょう。しかし、小山さんに言わせれば「失敗すること」は全く悪いことではなく、失敗した後の振る舞いが大事なのだそうです。
「誤った失敗の対処。それは、同じ失敗を繰り返してしまうことです。一度の失敗は成功への礎です。(中略)ただ、同じ失敗を繰り返すのはいけません。二度までなら、まだ練習期間として目をつぶりましょう。三度目となると手が着けられないバカです」(p83-84より)
同じ失敗を繰り返すのではなく、その失敗を次に活かしていくことで成功に近づく。よく考えれば当たり前の話ですが、実践できている人はなかなかいないのではないでしょうか。
もし、あなたが失敗をしてしまったとき、その失敗をポジティブに捉えることができますか? いつもクヨクヨして同じことを繰り返してしまうという人は、次のようなことを試してみて下さい。
・失敗も成功も理由を検証する
・「まぐれ当たり」を「幸運」で片付けない
・更迭を歓迎せよ
・悪い報告は速攻で上げる
これらは小山さんの会社で実践されていることです。「更迭を歓迎せよ」というのは意外ですが、株式会社武蔵野では社員の肩書きがめまぐるしく変わります。業績を上げた社員は昇進させ、落としてしまった人は更迭する。徹底しています。
更迭をすると社員のモチベーションが下がるのではないか? ですが、そこはしっかりとカバーしており、2年以内に人事評価でA評価を取れば、すぐに元の肩書きに戻すという条件がついているのだそうです。
失敗をチャンスと捉え、成功につないでいく。それが「デキる人の失敗の仕方」です。
本書は小山さんのお話だけでなく、武蔵野の社員たちも登場して、自分自身の「失敗」にまつわるエピソードを明かしています。会社の雰囲気の良さが分かるとともに、武蔵野の経営そのものがチャレンジングであるその秘訣が理解できるはず。
どんなときでも失敗は怖いものです。しかし、見方を変えればそれは成功するために必要な過程であると、この本は教えてくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。