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中韓企業、ついにあの業界でも日本勢を駆逐開始?中国は国家ぐるみで巨額買収攻勢

文=編集部
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 グッドイヤーは04年より7.1ポイントも低下して10%を割っており、ブリヂストン、ミシュランの2強から離されつつある。住友ゴムは3.7%でシェア6位だ。

 代わって台頭してきたのが、新興国のメーカーである。韓国のハンコックタイヤやクムホタイヤ、台湾の正新ゴムなどがビッグ3のシェアを奪っていった。

 タイヤの需要自体は拡大している。需要の多くは自動車や二輪車用だが、世界的に自動車、二輪車の販売と保有台数が伸びているからだ。

 それらの需要は、世界一の自動車大国となった中国を筆頭とする新興国が牽引している。一方、日米欧の先進国市場は飽和状態だ。新興国メーカーのシェア拡大の背景には、こうした市場構造の変化がある。

 今やタイヤメーカーの主戦場は、新興国市場だ。しかし、住友ゴムとグッドイヤーの提携は欧米での事業を強化するものであり、基本的に新興国は対象外だった。それが、両社が提携を続ける理由がなくなった要因でもある。グッドイヤーが次に提携を狙うのは、新興国のメーカーではないかといわれている。

中国の国有企業が、イタリアのピレリを買収

 今年3月、中国国有企業の化学大手、中国化工集団がイタリアのピレリを約9200億円で買収することを発表し、業界を驚かせた。ピレリは、世界シェア4.3%を占める5位のタイヤメーカーだ。

「世界の一流企業を生み出す」

 中国化工が巨額買収に踏み切った背景には、上記のような習近平指導部の強い意向があるとされている。中国化工は、傘下に風神輪胎などのタイヤメーカーを抱えるが、供給先は中国だけだった。

 中国化工は、世界的な自動車レースの「F1」で実績を持つピレリのブランド力を手に入れることで、世界の主要タイヤメーカーの地位を狙う。

 バブル景気真っただ中の88年、当時世界2位の米ファイアストンをブリヂストンが買収した。その時、ブリヂストンと激しい争奪戦を繰り広げたのが、ピレリだった。時は移ろい、今度はピレリが中国の国有企業に買収されることになったわけだ。

 住友ゴムとグッドイヤーの提携解消が起爆剤となり、世界のタイヤメーカーの再編が始まる。日米欧の大手メーカーは、パートナーにどの企業を選ぶのだろうか。かつては、前述したブリヂストンのファイアストン買収が世間を驚かせたが、資金豊富な中国メーカーが日米のタイヤメーカーを買収したとしても、誰も驚かないだろう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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