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マックスむらい氏創業企業が上場 囁かれる不安要素 主幹事証券はgumiショックの野村

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東京証券取引所のメインルーム(「Wikipedia」より/Chris 73)
 9月8日、東京証券取引所はAppBank(アップバンク/本社・東京都新宿区/証券コード6177)の東証マザーズ上場を承認した。主幹事証券は野村證券で、上場予定日は10月15日。9月25日に決定した仮条件価格は1140~1200円で、当初の想定価格1140円が下限になる強気な設定。公開価格は10月5日に決定するが、よほどのことがない限り仮条件の上限で決まるだろう。公開価格がその1200円とすると、上場に当たっての市場からの資金吸収金額は17.7億円になる。

 東証が出している新規上場会社概要によると、事業内容は「スマートフォン向けアプリの紹介記事等を掲載するメディアサイト「AppBank.net」の運営、自社アプリや動画コンテンツの提供、スマートフォン及びゲーム関連商材のECサイトの運営及び店舗販売等」となっている。新規IPO(新規上場)銘柄を狙い撃ちする投資家たちの間で人気のカテゴリー、スマホ関連、コンテンツ関連、ゲーム関連にすべてヒットする。

 AppBankが話題なのは、アップルのiPhone向けアプリを紹介する一個人のブログから出発した会社が上場を果たしたことと、創業者ひとりが有名人だということ。その「マックスむらい」こと村井智建氏は2012年1月に会社を設立し、かつて在籍したガイアックスグループなどから出資を受けて事業を拡大した。最近はガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」やミクシィの「モンスターストライク(モンスト)」などを自ら攻略して紹介し、大ヒットに力を貸した。動画共有サイト「YouTube」上で自らのゲームプレイ動画を配信するほか、タレントとしてテレビに出演したり、昨年12月には歌手の石井竜也プロデュースで歌まで歌ってCDデビュー。主演映画も製作中だといい、ゲーマーの間では今やカリスマ的な存在である。

 今年3月の定時株主総会で村井氏は代表取締役社長CEO(最高経営責任者)を退任し、学生時代からの盟友である宮下泰明氏に交代したが、それでも取締役に名を連ね、筆頭株主として宮下社長と並ぶ165万株、21.54%を保有している。公開価格を1200円と仮定しても、保有株の時価総額は19億8000万円にのぼる。

 このように話題性十分なAppBankだが、不安要素として、有力な広告スポンサーであるゲーム業界各社の業績にも陰りがみられる点が指摘されている。4~6月期はガンホー、コロプラ、ディー・エヌ・エー(DeNA)、グリー、KLab、クルーズは揃って営業減益で、enishやモブキャストは営業赤字。AppBankのビジネスモデルはゲーム業界の広告宣伝費や販売促進費に支えられている部分が大きいだけに、先行きに不安を抱かせる。