ビジネスジャーナル > 企業ニュース > マックスむらいの企業に疑念続出  > 2ページ目
NEW

マックスむらい氏創業企業が上場 囁かれる不安要素 主幹事証券はgumiショックの野村

文=寺尾淳/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,

 さらに、初値が公開価格を割り込んだり、上場直後から株価が低迷して投資家が含み損を抱えるおそれも取り沙汰されている。昨年12月18日に上場した後、業績を下方修正して株価が急落し問題となった「gumiショック」が記憶に新しいが、AppBankの主幹事証券がgumiと同じ野村證券だという点もネガティブな憶測を呼んでいる。

gumi、Gunosyとの比較

 この1年、野村が主幹事で「上場ゴール」ではないかといわれた銘柄には、gumiのほかにGunosy(6047/4月28日上場)があった。

 gumiの初値は公開価格3300円に対して3300円で「引き分け」、Gunosyの初値も公開価格1520円に対して1520円で「引き分け」だったが、gumiは株価が公開価格を上回ったのはその上場初日だけで、今年8月25日には公開価格の3分の1の1003円の最安値をつけた。9月29日の終値は1209円。

 一方のGunosyは今年6月までの約2ヵ月間は高値が公開価格を上回っていたが、7月以降そうなった日は5日間しかなく、9月8日に932円の最安値をつけている。9月29日の終値は1278円。Gunosyは金額は小さくてもプラスで売り抜けられた投資家がいたはずだが、gumiの場合、上場初日に売買手数料、税金を差し引いて実質プラスで売り抜けられた投資家はほとんどおらず、その後、業績を下方修正して株価が急落すると含み損がふくらんだ投資家が続出。「上場ゴールの銘柄をつかまされた」と怨み節が渦巻いた。

 では、業績の問題点に目をつぶって上場し、結果的に上場ゴール銘柄になってしまうのか。

 上場直近の決算期の業績を比較すると、gumiは連結で1.6億円の経常赤字、1.8億円の最終赤字(2014年4月期)。Gunosyは13.6億円の経常赤字、13.9億円の最終赤字(14年5月期)で、ともに赤字決算だった。しかしAppBankは連結で売上高30億1285万円、経常利益は5億1498万円、最終利益は3億2827万円と黒字を計上している(14年12月期)。

 AppBankの純資産は4億3117万円で、gumiの34億9748万円、Gunosyの6億818万円よりは小さい。とはいえ、上場時に調達する資金吸収金額は、gumiは約450億円で純資産の12.8倍、Gunosyは約103億円で純資産の16.9倍もあったが、AppBankは17.7億円で純資産の4.1倍しかない。直近の業績も資金吸収金額も、約18倍の予想PERも、gumiやGunosyのように上場で無理をしているようには見えない。

 しかし、AppBankは「公募株数に比べて売出株数が極端に多い」という別の不安要素を抱えている。

売出株数と株価の関係

 AppBankは、上場時の公募株数こそ17万8000株と少ないが、売出株数(追加のオーバーアロットメント分を含む。以下同様)が130万7800株で公募株数の7.34倍もある。Gunosyは公募株数350万株に対して売出株数は329万6500株で公募株数を下回っていたが、gumiは公募株数150万株に対して売出株数が1214万7200株と8.1倍もあった。倍率でいえばAppBankはgumiと肩を並べるほどあり、極端に多い。

 gumiが上場した昨年12月18日から現在までに、売出株数が公募株数の2倍を上回った新規上場銘柄はgumiを含めて14ある。そのうち初値が公開価格を下回った「黒星」は3、上回った「白星」は10、引き分けはgumiで、10勝3敗1引き分け。ただし10個の白星のうち、初値が公開価格の1.5倍を上回った「快勝」は4勝しかなく、1.2倍以下の「辛勝」は3勝もあった。売出株数が公募株数の2倍を上回ると、その半分は「辛勝」か「引き分け」か「負け」だった。

マックスむらい氏創業企業が上場 囁かれる不安要素 主幹事証券はgumiショックの野村のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!