NEW

経済危機の中国、「外資叩き」強化 今度は日産が標的に

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日産自動車本社(「Wikipedia」より/Wiiii)
 日産自動車が中国市場で苦戦している。中国の8月の新車販売台数は前年同月比5.5%減の8万9000台。2月以降は前年並みか前年割れの状態が続き、回復の兆しが見えてこない。

 対するトヨタ自動車は「カローラ」など小型車が好調で、8月は前年同月比20.0%増の9万4200台と、5カ月連続のプラス。ホンダも新型の多目的スポーツ車(SUV)2車種が好調で同50.7%増の7万8277台となり、前年実績を6カ月連続で上回った。

 1~8月の累計販売台数は日産が前年同期比1.7%増の76万800台の微増にとどまったのに対し、トヨタは同13.0%増の69万9500台、ホンダは同34.9%増の61万2276台と大幅に数字を伸ばした。日系メーカーでは日産が他社を引き離し快走してきたが、トヨタやホンダが激しく追い上げてきた。

 中国市場全体の8月の新車販売台数は前年同月比3.0%減の166万台で、5カ月連続のマイナス成長。1~8月の累計では1501万台と横ばいだった。

 かつて中国市場では日系車がシェア1位だったが、12年の尖閣諸島国有化に端を発する反日感情の高まりを受け、販売台数は激減。底なしの状態が続いた。

 逆襲に転じたのは15年からだ。日系メーカーのシェアは20%に達し、尖閣事件以前の水準に回復した。高級車はドイツの3大ブランドであるアウディ、BMW、ベンツの後塵を拝しているが、小型車やスポーツ車が好調だ。

 販売を伸ばしたのは、新車効果と値下げ策が奏功したからだ。トヨタはカローラを値下げした3月以降、それ以前の倍以上売れ、合弁会社である一汽トヨタ自動車の中で、カローラは売り上げナンバーワンの車種になった。ホンダは新型SUVが若者に圧倒的な支持を受けた。新車と値下げが、トヨタとホンダの販売好調の両輪になった。

巻き返し図る日産


 日産は中国市場に軸足を置いてきた。15年3月期のグローバル販売台数は前期比2.5%増の531万台。一方、日本は同13.3%減の62万台と大きく落ち込んだ。中国は0.5%増の122万台で日本の2倍となった。中国と米国(8.9%増の140万台)が日産の営業の2本柱だ。ところが中国市場が失速気味なのだ。景気低迷以外にも不振の原因があった。有力な新車の投入がここ1~2年滞っていることだ。

 そこで日産が巻き返しのカードとして切ったのが、SUVである。日産の合弁会社、東風日産常用車は大連工場をSUVの生産拠点と位置付け、昨年10月から人気の「エクストレイル」の生産を開始。さらに今年8月、新型「ムラーノ」の販売を始めた。若者の人気が高まっているSUVでシェア拡大を目指す。