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ワーク・ライフ・ハピネス 第6回

成功者は必ず5時に仕事終了?ダラダラ残業は異常&不幸、成功企業は社員第一主義!

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「Thinkstock」より
 9月25日、第189回国会は閉会した。今国会では安全保障関連法制が最大の争点となったが、その陰に隠れて審議も不十分に次期国会へと先送りされた法案があった。

 労働基準法等の一部を改正する法律案、いわゆる「残業代ゼロ法案」である。この改正案は安倍政権が成長戦略の目玉に位置付け、4月3日に閣議決定され今国会の成立を目指していた。

 改正案は、金融ディーラーなど専門的な仕事に就く、年収1075万円以上の労働者を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」、通称ホワイトカラー・エグゼンプションの導入が柱となっている。しかし野党は、今後年収要件が緩和されると対象が拡大し、残業代ゼロの長時間労働を助長するとして反発している。

 今国会では成立しなかったが、アベノミクスの目玉であり経済界からの期待も大きく、次期国会での成立はほぼ間違い情勢だ。

 残業代がゼロになる、ということだけに焦点が当てられがちであるが、そもそも論として、「日本人の働き方と幸福とは」という視点での議論がないがしろにされていると筆者は常々考えている。

 今回は、新しい働き方の提言を行った『実践ワーク・ライフ・ハピネス2』(阿部重利、榎本恵一共著、藤原直哉監修/万来舎)の著者のお二人に、本来議論すべき観点について取材を行った。

--残業代ゼロ法案が今国会では不成立でしたが、そもそもなぜこのような法案を政府は通そうとしているのでしょうか。

阿部重利氏
阿部重利氏(以下、阿部) 政府も経済界も、労使についての古い「思考の枠」がそうさせているのです。

--思考の枠とはなんですか?

阿部 労働者と会社は対立するものだという古い考え方です。労働者は会社に対して「安い給料で長く働かせたいのだろう」と考え、会社は「残業代が欲しいから残業しているのだろう」と考えているという固定観念があります。

 成果の上がらない労働に対しては残業代をゼロにしようというのが会社側の論理であり、労使の対立概念から出てくる発想です。そもそもそこがズレてるのですが、政府も経済効率が上がることを期待して推進しているように思います。

榎本恵一氏
榎本恵一氏(以下、榎本) 私は税理士なので、税理士の観点でみると、現在の税制では給与所得控除の頭打ちとなる年収が1500万円超(控除上限245万円)となっていますが、2016年から段階的に年収1000万円超まで引き下げられ、17年以降は1000万円以上の収入を得たとしても220万円までしか控除を認められなくなります。ホワイトカラー・エグゼンプションで残業代がなくなり、さらに控除額も少なくなれば、必然的に手元に残る金額は少なくなります。専門性を持ち、社会にも貢献している方の給料が結果的に少なくなり、しかも長時間労働で体調も犠牲にしなければならなくなる恐れもあります。

 そういうライフスタイルを日本人が本当に望むのだろうか、それで幸せなのだろうかという根本的な疑問もあります。