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あの超一流金融機関、買収先が制御不能&人材流出の惨状…

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三菱東京UFJ銀行の店舗(「Wikipedia」より/っ)
 今年、金融業界では大型のM&A(合併・買収)が相次いだ。東京海上ホールディングス(HD)は米保険会社HCCインシュアランス・ホールディングスを約75億ドルで買収。明治安田生命保険は米国の中堅生保スタンコープ・ファイナンシャル・グループを約50億ドルで完全子会社化した。


 円安で買収額が膨らみながらも、好業績を背景に攻めの姿勢を鮮明にする日本企業が目立つ。少子高齢化が進むなかで海外事業の拡大は必至で、「時間を買うM&A」は有効な一手だが、過去における海をまたいだM&Aのなかには綻びが出始めているものも少なくない。

日本流の押しつけ


「人材流出が止まらないらしい」

 こう漏らすのは三菱東京UFJ銀行(BTMU)の行員だ。約50億ドルを投じて2013年にタイのアユタヤ銀行を完全子会社化したが、ここにきて風向きが変わりつつある。

 アユタヤ銀は個人のリテール事業を中心に展開してきたが、BTMUの買収後は法人向けや富裕層向けビジネスに一気にカジを切った。

 確かにその成果は出ている。今年10月に発表した第3四半期の貸出残高は前年同期比2割増で1兆2400億バーツを突破。初の1兆超えを果たし、地場銀行の上位4行に迫る勢いを保つ。ただ、「買収後の経営方針やカルチャーの変化に幹部も含め退職を検討する行員が少なくない」(同)という。現地の職員の意向を無視した日本流の弊害が見え隠れする。

制御不能


 一方、損害保険最大手の損保ジャパン日本興亜の社員は「競合他社の笑いものになりかねない」と漏らす。

 2014年に肝入りで買収した英キャノピアスで不協和音が流れる。

「キャノピアスの社員にしてみれば、自分たちのほうが損保ジャパン社員より優秀との自負があるのでは。日本企業にありがちな買収先企業のコントロール不能状態にあると聞きます」(競合他社幹部)

 自社にスキルが足りないスペシャリティ保険を買収したものはよいものの、相乗効果は生み出せていない。「損保ジャパンは損保業界では海外展開が一周遅れていた。以前、トルコの保険企業の買収に第一生命保険と一緒に動いたが足並みがそろわなかったように、海外買収は不慣れ。買収のノウハウもないので買収後の処方箋もない」(同)。