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上場の日本郵政3社、株価崩壊始まる…投資家は多額損、崩れる成長シナリオ

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ゆうちょ銀行本社(「Wikipedia」より/Rs1421)

 2月1日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続伸した半面、銀行株が大きく下落した。1月29日に日本銀行がマイナス金利の導入を決めたことにより、収益の悪化が懸念されたためだ。

 2月1日の終値で見た下落率は、3メガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループが5.46%安、三井住友フィナンシャルグループが7.61%安、みずほフィナンシャルグループが5.88%安となった。さらに日本郵政グループのゆうちょ銀行は8.02%安ともっとも大きく値を下げた。

 ゆうちょ銀行はその後も下げ続け、2月3日には一時1296円と上場来の安値をつけ、売り出し価格の1450円を大きく下回った。ちなみに、上場して初めてついた株価(初値)は1680円である。

 日本郵政グループの日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社は、昨年11月4日に華々しく上場した。1987年のNTT以来の大型上場だ。当初は個人を中心に人気を集め、グループ中核のゆうちょ銀行の株価は11月5日、1823円の高値をつけた。

 しかし、年明けからの波乱相場に翻弄され株価は下落している。日銀が決めたマイナス金利が大きな逆風になると判断され、株価は安値を更新した。昨年11月5日の高値から2月3日の安値までに、2兆3715億円の時価総額が消えた勘定になる。

国債での運用が中心

 ゆうちょ銀行株が下落したのは、法人・個人向けの貸し出しが原則認められず、国債での運用比率が高いことに起因する。マイナス金利導入で国債利回りが大きく低下し、利ザヤの縮小による収益減を懸念して売りが広がった。

 ゆうちょ銀行は、もともと国債を引き受ける政府系の金融機関である。東日本大震災の復興財源を確保するために株式を上場した。上場すれば、当然のことながら収益力の向上と成長が求められる。そこで高い利回りが見込める金融商品に資金を振り向け、国債の運用を減らしてきた。

 ゆうちょ銀行の佐護勝紀副社長は、ゴールドマン・サックス証券副会長を経て15年6月にゆうちょ銀行へ入り、現在は運用部門を統括する。佐護氏が外債や株式への分散投資を進めた。その結果、2015年9月末の国債保有残高は92兆7736億円となり、前年9月末比で24兆1077億円減少した。運用資産全体に占める国債の比率は45.25%だ。14年9月末時点では57.44%だったことに比べると、確かに国債の運用比率は低下しているが、それでも高い。

 マイナス金利による利ザヤの縮小が経常利益に与える影響は、メガバンクの4倍に達すると試算する金融アナリストもいる。