NEW
大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
アップルの店舗(撮影=編集部)
 イノベーションを起こして時代をリードしてきた企業といえば、どの企業が思い浮かびますか?


 たとえばアップルは、2012年6月末にはじめて時価総額で世界のトップに浮上し、それ以降は13年の一時を除くと首位を独走してきたことからも、市場から「時代をリードする企業」だと評価されているといえるのではないでしょうか。ちなみに15年3月以降は2位がグーグル(現在は持株会社アルファベット)、3位がマイクロソフトと、ITの世界3強がランキング上位を独占しているのはまさに現代を反映しています。しかし、まだ結論づけるのは早計ですが、アップルが時代のリーダーである時代は、終焉が近づいている兆候が見え始めています。そして注目すべきは、アマゾンの成長です。

疑問符がつき始めたアップルの成長力


 アップルの15年第4四半期(7~9月)決算は、7四半期連続の増収増益となり、アップルの歴史の中で最も輝かしい年で終わるはずでした。

 ティム・クックCEO(最高経営責任者)が決算に関する電話会見で、「我々はこれから、iPhone 6s/6s Plus、Apple Watch、iPad Pro、Apple TVといった過去最強の製品ラインアップとともに年末商戦を迎える」と自信たっぷりに語り、またiPhoneが中国市場で成功を収め、再びアップルの快進撃が始まったように見えたのですが、株価はその直後に急落します。

 以下グラフはアップルの15年各月末の時価総額推移を示したものですが、世界トップであることには変わりなくとも、時価総額は減少し続けています。



 アップルの時価総額は15年4月末の7,506億ドル(約88.4兆円)をピークに、12月末には5,869億ドル(約68.9兆円)となり、8カ月で19.5兆円、およそ20%強が消えてしまったのです。なぜ好調なアップルの時価総額が下がるという事態が起こったのでしょうか。

 アップルの成長に疑問符がつき始めたのです。同社の売上高のうち、iPhoneのそれが60%を超えており、スマートフォン事業への依存度が極めて高くなっています。15年にそのスマートフォン市場に異変が起こります。市場そのものの成長に急ブレーキがかかったのです。市場が成熟し、飽和状態を迎えた兆候が表れ始めたのです。



 iPhoneに代わって成長を牽引するはずだったiPadも、前年割れとなってしまいます。Apple WatchやApple TVは顧客をアップルのブランドに囲い込むことには役立っても、売上高が約515億ドル(約6兆1973億5000万円)、純利益が約111億ドル(約1兆3357億4000万円)のアップルの成長を牽引するほどの潜在力はありません。