日本銀行のマイナス金利導入が地銀再編の背中を押した――。
福岡銀行、親和銀行(長崎県佐世保市)、熊本銀行の3行を傘下に置く九州最大の地銀グループ、ふくおかフィナンシャルグループ(FG/福岡市)と、長崎県首位の十八銀行(長崎市)が経営統合する。ふくおかFGは2017年4月に十八銀を100%子会社にし、翌18年4月をメドに親和銀と十八銀を合併させる。統合後のふくおかFGの総資産額は18.7兆円となり、横浜銀行と東日本銀行(東京)が統合して16年4月に誕生するコンコルディアFGの17.4兆円を上回る。
ふくおかFGは07年4月に福岡銀と熊本ファミリー銀行(現・熊本銀行)が経営統合して発足した。同年10月に親和銀が合流し、資産規模で長く地銀首位だった。コンコルディアFGの登場で首位の座を明け渡すことになるが、傘下に十八銀を加えることで地銀首位への返り咲きを狙う。
人口の減少が急速に進み経営環境が厳しい九州では、地銀の広域再編が相次いだ。15年10月、肥後銀行(熊本市)と鹿児島銀行が経営統合し九州FGが発足した。
西日本シティ銀行(福岡市)は持ち株会社西日本FGを設立する。同行は04年10月に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して産声をあげた。西日本シティ銀は長崎銀行を完全子会社にしており、豊和銀行(大分市)とも資本業務提携をしている。新たにつくる持ち株会社が今後の地銀再編の受け皿となる。
九州・山口の金融グループはふくおかFG、山口FG(山口銀、北九州銀、もみじ銀)、九州FG(肥後銀、鹿児島銀)と西日本FG(西日本シティ銀、長崎銀、豊和銀)に集約される。今後、北部九州の地銀(大分銀、佐賀銀、筑邦銀)はふくおかFGに、南部九州の地銀(宮崎銀)は九州FGに、九州の第二地銀(福岡中央銀、佐賀共栄銀、宮崎太陽銀、南日本銀)は西日本FGに統合・合併されるとの見方が強い。
国内の地銀に“マイナス金利”再編の号砲が鳴った。
(文=編集部)