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高橋篤史「経済禁忌録」

あの急成長・新電力、危険な人脈&問題企業への接近が次々発覚…資金繰り悪化で事業撤退

文=高橋篤史/ジャーナリスト
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 多額の運転資金を確保するため日本ロジテックが接近したのは、よりによって問題上場企業ばかりだった。最初は東証マザーズ上場のリミックスポイントである。提携したのは14年9月のことだ。リミックスポイントはもともと業務用ソフト開発のベンチャーだったが、上場後は業績低迷が続いた。09年に新たな株主が入り経営陣の一角も占めたが、それはローソン子会社を舞台とする多額の資金流用事件を引き起こした人脈で、その後も株主は頻繁に入れ替わった。

 現在、リミックスポイントに少なからぬ影響力を持っているのは「ダイマジン・グローバル」なる香港法人だとされる。その背後に控えているのは安愚楽牧場の破綻劇に深く関わった人脈と見られている。安愚楽牧場は和牛預託商法で投資家から4000億円超を集めたものの11年に行き詰まり、その破綻は社会問題化した。ダイマジン・グローバルの関連人脈は、飼料利権で一財産を築いたと見られており、破綻当初は都合良く債務だけカットできる民事再生を押し通そうと裏で主導していたとされる(のちに投資家の反発を受け安愚楽牧場は破産処理に移行した)。

 成長著しい新電力との提携という提灯がついたリミックスポイント株は一時、急騰した。その裏で日本ロジテックはリミックスポイントに電力調達取引の間に入ってもらい、資金支援を受けるという実利を得ていた。ピーク時、リミックスポイントが立て替えた金額は約10億円に上った。しかし、とある経緯から元楽天副社長の國重惇史氏がリミックスポイントの社長に就任したことで蜜月関係には終止符が打たれた。昨年夏、多額の立替金を問題視した國重氏は関係見直しに動き、同年11月に提携は正式に解消となった。

クレアホールディングスとの提携

 蛇口を閉められた格好の日本ロジテックは売上債権の流動化で息をつなごうとファクタリング会社と交渉を始めたが、うまくいかなかったようだ。結局、次に頼った先は東証2部のクレアホールディングスである。

 まさにクレアホールディングスは「ハコ企業」の代表格といえる会社だ。もともとの社名はキーイングホームで住宅メーカーだった。それが千年の杜、東邦グローバルアソシエイツへと頻繁に社名変更を繰り返し、現社名となったのは7年前。私募CB(転換社債)を使った錬金術を広めた有名ブローカーの下で15年前に新株乱発を始め、その後もグッドウィル・グループを食い物にした別のブローカー筋などが入れ替わり立ち替わり入り込んだいわく付きの会社だ。ロシアで巨大人工島を造るという眉唾物の構想を大々的に発表し、そのいかがわしさをよそに、株価だけが急騰劇を演じたこともある。

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

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