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その一例が「コアビレッジ」と呼ばれていた施設だ。日本ロジテックが競売で落札したのは08年8月のことである。じつはコアビレッジは前述したピンハネ事件の舞台だった全国生鮮食品ロジスティクス協同組合が実習生を研修していた施設で、同組合の経営破綻後はA氏が代表取締役を務める不動産会社「コア・コンピタンス」が銚子信金からの不正融資金により買い取っていた。しかし、事件発覚後は税金滞納で差し押さえられ、銚子信金からは競売を申し立てられていた。A氏は「フロンティア21」なる別の不動産会社を07年に設立しているが、実は同社こそが日本ロジテックの大口出資企業の1社。A氏の影響下にある日本ロジテックが第三者に渡る寸前にコアビレッジをかわって買い戻した構図と見て取ることもできる。
これら「銚子コネクション」とも呼ぶべき事件人脈が背後で蠢きつつ、日本ロジテックはいわく付きの不動産購入や、無謀とも思える発電所計画で多額の支出を繰り返し、それが資金繰り難の元凶だった可能性は高い。日本ロジテックは横浜市に対しても電力購入代金7億円が未払いのままだ。先述した佐賀県伊万里市の土地代金もまだ15%の即納金しか払っていない。今回明らかになった電力小売り事業からの撤退は、次なる破局的な事態の序章に過ぎないと見たほうがいいだろう。
(文=高橋篤史/ジャーナリスト)
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