仮想通貨の「ビットコイン」が、日本でもいよいよ本格的に普及する見通しになってきた。
金融庁が国内で初めて導入する仮想通貨の法規制案が明らかになったためだ。それによると、これまでは単なる「モノ」として扱われてきた仮想通貨を、法改正で「貨幣の機能」を持つと認定。決済手段や法定通貨との交換に使えることになるという。2014年のビットコイン交換所「マウントゴックス」の破綻、元CEOの逮捕で一時は関心が後退していたが、法整備を経て、利用に安心感も広がりそうだ。
具体的には、仮想通貨の定義としては2点を明記するようだ。物品購入などに使用できる「交換の媒介」と、不特定多数を相手にした購入や売買を通じて法定通貨と交換できること。世界では仮想通貨が約600種類あるとされるが、その代表がビットコインだ。
株式市場ではビットコイン関連銘柄を物色する動きが強まっている。たとえば、東証1部上場でFXなどを展開するマネーパートナーズグループ。同社は昨年7月にビットコイン取引所を「Kraken」名義で世界的に運営する米ペイワードと業務提携すると発表。今年1月18日からは、ビットコインの参考レートをホームページ上で表示している。
ポイントサイトを運営するセレス(マザーズ)は、投資先のレジュプレスが運営するビットコイン関連サービスが順調に拡大している。セレスは「モッピー」「モバトク」などの名称でポイントサイトを運営しているが、買い物などで貯めたポイントを、ビットコインとも交換できる仕組みをすでに整えている。ポイントサイトを運営しているのはこのほか、リアルワールド(マザーズ)やGMOメディア(同)などが挙げられる。ビットコインとポイントの交換は親和性が高い。
急速に普及する可能性
消費者向けEC(電子商取引)業者に決済処理サービスを提供しているGMOペイメントゲートウェイ(東証1部)にも注目が集まっている。カタログ通販のクレジット決済代行サービスでスタートし、ネットの普及によりネットショップや年金機構、東京都などの公的機関ほか約6万店の顧客にサービスを提供している。
同社ではビットコイン決済をいち早く導入している。ビットコイン買取・販売(取引所)のbitFlyerと提携。同社はコインの購入・販売だけでなく、クラウドファンディングやコインの情報メディア、決済のbitWireなど、日本唯一のビットコインの総合プラットホームを構築している。