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東電と関電等しか選べないという完全独占体制で、日本と国民が絶望的に失ってきたこと

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東京電力本社(「Wikipedia」より/Theanphibian)
 いよいよ4月1日から電力自由化がスタートする。電力自由化は2000年から段階的に行われてきた。大規模工場やデパート、病院といった大口契約の「特別高圧」を皮切りに、04~05年に中規模契約の「高圧」が自由化された。今回は一般家庭の「低圧」が対象で、これで全面自由化ということになる。


 正確にいえば、これまで家庭や商店向けの電気は、東京電力など各地域の大手電力会社だけが販売しており、家庭や商店では電気をどの会社から買うかを選ぶことができなかった。それが、料金メニューやプランを見て、好きな会社から買うことができるというわけである。

 家庭によっては、電力会社やプランを変えることにより月々の電気料金引き下げも可能となるため、メディアでは盛んに電気料金の安さを訴えるCMが増えており、雑誌も電力会社ごとのメニューを比較した特集が多い。

 ネットでも簡単に電気料金をシミュレーションできるサイトが増えている。「energy navi」の運営会社、セグメントの佐藤洋平氏はこう話す。

「来年はガスの自由化もあるので、電力会社とガス会社は新規顧客開拓というよりも、既存顧客の流出防止という視点で動いています。初年度は希望的観測も含めて、10%くらいの消費者が契約する電力会社を変えるのではないかと思います」

 また、電力比較サイト「エネチェンジ」の運営会社、エネチェンジの巻口守男副社長は年間3~10%(203~768万件)の切り替え顧客が生まれると見ている。

「02年に電力自由化を行ったイギリスでは、電力比較サイトを参考にして契約するのが一般的になっています。日本でもネットを見て切り替える人が20%程度はいると予測しており、当社はそのネット切り替えシェアの50%(23~76万件)獲得を目指しています。なお、当社は料金だけの比較ではないというポリシーから、『電気料金比較サイト』ではなく『電力比較サイト』と謳っています」

電力自由化の意義は料金だけではない


 電力の全面自由化に既存の大手電力会社は反対してきたが、状況が大きく動いたのは、11年の東日本大震災がきっかけだ。地域をまたいだ電力の融通ができず計画停電をする事態が相次いだ。それまで効率的といわれてきた大規模集中型発送電システムの脆弱性が露わになったのである。

 今回の電力自由化においては、地域に根ざして電力を販売する新しい電力会社が生まれている。電力の「地産地消」だ。福岡県みやま市のみやまスマートエネルギーは、自治体や地元金融機関などの出資で設立された。地産地消を目指している会社は、茨城県の水戸電力、神奈川県の湘南電力、福島県の会津電力など、全国に10社以上ある。