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三菱自の燃費データ不正、他社も同様の可能性…企業存亡の危機、自力再建は困難

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燃費試験の不正行為について会見する三菱自動車工業・相川哲郎社長
 昨年10月、当サイトで独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス不正について書いた。そのときのひとつのメッセージは、このような不正を世界の各メーカーが犯すかどうかは紙一重であり、他社も基準や前提の解釈により類似の不正を行い兼ねない危うさがある、という点であった。


 その記事の執筆当時に念頭に置いていたのは日本メーカーではなかったし、ましてや2000年にリコール隠しなどで窮地に立った経験のある三菱自動車工業ではなかった。そんなバカなことはしないだろうという、ある種の思い込みである。

 しかし、「事実は小説より奇なり」というが、現実とは想像を超えることが生じるものだ。「まさかやるはずはない」と思っていたのに、とんでもない事態が生じてしまった。三菱自による軽自動車の燃費の不正申告発覚である。

クリティカルな要因としての燃費


 燃費は今や世界の各メーカーの重要な競争上の焦点である。特に経済性を追求するコンパクトカーや軽自動車では、燃費の数字が重要なアピール項目で、その売れ行きすら大きく左右する。軽自動車の世界ではリッター30キロ、ハイブリッドを超える低燃費が一種の謳い文句になっており、各社しのぎを削っているところでもある。

 今回の三菱自の場合も、比較的好評を得ているeKワゴンという車種、日産ブランドではデイズとよばれる車種で問題が起こった。日産ディズの次世代は日産自身が開発することになっていたと報じられている。それもあって、日産は現行車種のデータを一から確認していたという。その際、燃費データが公表されたものと乖離していて不審に思い、三菱自に問い合わせたことから不正が発覚したのである。

常套手段、前提条件の操作

 
 三菱自側が国土交通省に提出したデータの前提条件は、走行抵抗がかなり低い設定になっており、詳細は不明だが報道によればタイヤ空気圧をかなり高圧にすることで走行抵抗を大幅に減らして採ったデータだったようだ。空気圧をかなり高く設定すれば燃費は向上する。しかし、そんな空気圧で車に乗れば乗り心地も操縦性も悪化するので現実的ではない。そんな前提条件で高燃費を叩き出して、それを正式データとして国交省に提出、一般に公表されていたわけだ。10%程度の上乗せになっていたというが、本当にその程度なのか疑問も残っている。