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東京電力、東京ガスへの逆襲を始動…東ガス、東電からの顧客奪取が早くも急失速

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東京電力本社(左)、東京ガス本社(いずれも「Wikipedia」より)

 4月から電力小売りの全面自由化がスタートし、東京電力ホールディングスと東京ガス(東京瓦斯)の“仁義なき戦い”の第1ラウンドが始まった。

 東電の本丸の首都圏に殴り込みをかけた東ガスは、2016年度中に家庭用電力販売で40万件の顧客獲得を目指すとぶち上げた。

 東ガスは年明けから首都圏でガスとセットにした家庭用電力販売の申し込みを開始。電力自由化が始まる直前の3月中旬から契約件数を伸ばしてきた。3月14日に11万件と10万件の大台を突破。完全自由化開始後の4月4日には24万件と、20万件台に載せた。

 東ガスは15年末に他社に先駆けて電気料金メニューを発表し、2月には追加値下げを実施。割安感を前面に打ち出したことが奏功したようだ。すでにガスを契約しているという安心感があり、都市ガスとのセット割で多くのユーザーを獲得した。まずは順調に滑り出したといっていいだろう。

 懸念材料があるとすれば、4月25日時点の契約件数が28万件と、契約件数の伸びが鈍化していることだ。今後はグループのガス器具販売店の営業網を活用することで顧客増を狙う。

 東ガスは20年までに家庭用で100万件の契約を獲得し、「新電力でのトップを目指す」(広瀬道明社長)と息巻いている。東電から顧客をどの程度奪えるか、注目を集めている。

 経済産業省の認可法人、電力広域的運営推進機関がまとめた電力契約の切り替え件数は、4月末時点で81万9500件。全国世帯数に占める割合は1.3%にとどまる。切り替えが集中したのは大都市で、首都圏が51万8100件、関西圏が18万2700件となっており、合わせて全国の86%を占めている。新電力では東ガスの契約件数がもっとも多かった。

 東電の管内には2700万世帯が集中しており、2兆5000億円規模の家庭電力市場だ。東ガスなどの新電力や、関西電力など他地域の電力会社が首都圏に一斉に進出し、草刈場となっている。

 迎え撃つ東電は、既存の顧客の囲い込みに奔走中。グループ会社の東京電力エナジーパートナーが、使用量の多い家庭向けに最大5%安くする新料金メニューを導入。100万世帯に新メニューを契約してもらうという目標を掲げた。電力の小売りが解禁になった時点で、新しい申し込みは約30万件に上り、流出件数を大幅に上回ったと胸を張る。それでも、最大で2割程度は他社に奪われると試算している。