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NTT、情けない惨状…巨額海外投資4連続失敗で1兆円損失、懲りずに3千億の買収

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NTTデータの本社がある豊洲センタービル(「Wikipedia」より/Tennen-Gas)

 NTT(日本電信電話)グループが北米市場に再挑戦する。海外のM&A(合併・買収)で失敗続きのNTTドコモに代わって、システム開発のNTTデータ(エヌ・ティ・ティ・データ)が海外戦略の中核を担う。

 NTTデータは3月28日、米パソコン大手デルのIT(情報技術)サービス部門を買収すると発表した。買収額は30億5500万ドル(約3500億円)で、NTTグループでは過去3番目になる大型買収である。

 買収するのは、デルが北米を中心に展開するITサービス部門のデル・サービシーズと、ITサービス子会社3社。ITサービス部門の2016年1月期の売上高は28億2600万ドル(約3200億円)で、従業員を2万8000人抱えている。

 米大統領選に2度出馬した米実業家ロス・ペロー氏は、米IBMを経てペロー・システムズ前身のITサービス企業を創業。米政府内に持つ人脈を生かし、医療システムの受注に成功した。一時期、米自動車大手のゼネラル・モーターズ傘下に入ったものの、1988年に再び独立してペロー・システムズを設立した。09年にデルがペロー・システムズから医療・保険部門を39億ドル(約3600億円)で買収した。これは翌10年に“オバマケア”と呼ばれる「医療保険制度改革法」が成立することを先取りした動きだった。3000万人の米国民がメディケイド(低所得者向け公的医療保険)や民間医療保険に新規に加入すると見込んだのだ。

 デルは買収後、巨大化する医療システム市場を開拓。米病院チェーンなど有力顧客に深く食い込み、医療向けITサービス分野でトップシェアを握るまでになった。

 主力のパソコンが落ち込んだデルは、15年10月、ストレージ(外部記憶装置)大手の米EMCを670億ドル(約8兆円)で買収すると発表した。16年10月の買収完了に向け、資金調達の一環としてITサービス部門を売却することにした。

 仏アトス、米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、インドのタタ・コンサルタンシー・サービシーズら大手ITサービス事業者が争奪戦を繰り広げた。最終的にNTTデータが射止めたが、このときの買収額30億5500万ドルは、デルがこの部門を買収した時の全額のおよそ4分の3。つまり、買い叩かれたといえる。

NTTデータは海外売上高1兆円を目指す

 システム構築を手掛けるNTTデータは官公庁や金融業界に強く、業界トップの存在だ。2000年代後半から国内市場の成長鈍化を見据えて欧米中心にM&Aを展開してきた。

 08年にSAP(統合管理システム)事業をメインに展開する独アイテリジェンスや独BMWグループの情報システム子会社だった独サークエントを買収。10年12月にITサービスの米キーンを1000億円で手に入れた。