ヤクザも顔負けの口利き&賄賂得た甘利明元大臣、不起訴処分下した検察は「政治家の犬」である
国会議員は「合法ヤクザ」に等しい存在か?
民間人同士の揉め事や争い事の正しい解決方法としては、当事者同士の話し合いや弁護士を通じての交渉、調停や訴訟があります。また、解決に向けて不当要求が発生する場合、片方が暴力団などの反社会的勢力の影響力を頼りに「交渉」を行うケースもあるわけです。もっとも、そんな交渉が明るみに出れば恐喝行為で立件されかねませんし、明るみに出ることなく不当要求がうまく通った場合でも、反社会的勢力に頼んだ側は、それから先一生食い物にされ続ける懸念もあります。揉め事や争い事の解決は、話し合いで決着がつかなければ司法の場で解決を図るべきというのが、民主主義社会における常識であるゆえんです。
ところで、民間人と行政機関などとの間で紛争が起きた場合、話し合いで決着がつかないと、司法の場での解決に委ねることなく「合法ヤクザ」のような存在に交渉の助太刀を頼むということがよく行われています。
それが、地方議員や国会議員の「口利き」です。古くからよく行われているのが、交通違反切符のもみ消しや裏口入学の斡旋、裏口入社・就職の斡旋などです。それ以外にも行政機関に対する許認可の斡旋、金融機関への融資の斡旋、補償交渉の斡旋など、裏側から手を伸ばして依頼人の便宜を図る行為が公然となされてきました。
不公正、不当な交渉がいたるところで行われ、表に出せないコネや情実での取引や交渉が日常的に枚挙にいとまなく行われています。つまり、地方議員や国会議員が、裏社会のヤクザに代わってこのような不当な交渉を行い、その代償としての「献金」という名目で金を受け取ったり、選挙の際に現物出資の支援を受けたりといったことが常態化しているわけです。
「賄賂」をもらっても逮捕されないなら、「口利き」はこれからもやり放題!
5月31日、甘利明・前経済財政・再生相の金銭授受問題をめぐり、東京地検特捜部は嫌疑不十分として不起訴処分としました。道路工事にかかわる建設会社と独立行政法人・都市再生機構(UR)との補償交渉で、甘利氏と甘利氏の元公設第1秘書と元政策秘書の3人が、交渉への関与と金銭授受、飲食接待などがあっても、あっせん利得処罰法や政治資金規正法の違反、収賄罪に問われることもなく不起訴処分となったのです。